事後レポ

中小企業が成長を続け、生き残っていくための
経営戦略について考える

「経営者のための新・成長ストーリー2020」が大阪、東京、名古屋、福岡の4都市で開催された。M&Aを活用した成長戦略や事業承継の取り組みが紹介され、会場を埋めた中堅中小企業経営者らが熱心に聞き入った。
主 催・東洋経済新報社
協 賛・M&Aキャピタルパートナーズ

【特別講演(大阪・福岡)】
マグロ大王が語る、商売の原点
「業界の既成概念を変えた経営手法と人材育成、今後の戦略」

喜代村
代表取締役社長
(「すしざんまい」創業者)
木村 清

「すしざんまい」創業者の木村清氏は、これまで手掛けてきた数々の事業を振り返り、その経営哲学を語った。3歳で父を交通事故で亡くした木村氏は15歳で航空自衛隊に入隊。その後、水産関係の仕事を経て、当時は珍しかった温かい弁当店を開店したのをはじめ、計約90以上の事業を起こしてきた。「最初は、温かい弁当は菌が増えやすいのでダメだと言われましたが、調理後2、3時間までなら問題ないことを突き止め、実現しました。ビジネスにはちょっとしたアイデアが大事」と話す。2001年に「当時は閑古鳥が鳴いていた」築地場外市場に、すしざんまいをオープン。時価や入りづらさといった、これまでのすし店の問題点を検討し、24時間・年中無休、明朗会計やガラス張りの明るい店舗、といった工夫で人気店に育て、築地の盛り上げに一役買った。人材については、「正社員、パート社員などの違いにかかわらず、人として平等に扱う」と強調。また、海賊が問題になっているアフリカ・ソマリアで、魚を買い取る約束をして、海賊が漁師に戻るのを支援する活動に言及した。「何のために働くのか。人に喜んでもらわなければ仕事ではない」と、他者への貢献の大切さを訴えた。

【特別講演(東京・名古屋)】
食品業界における中小企業の活性化・再生支援

ヨシムラ・フード・ ホールディングス
代表取締役CEO
吉村 元久

食品関連中小企業をグループの子会社にすることによって、その活性化・再生支援を進めてきたヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村元久氏は、そのビジネスモデルを語った。吉村氏は金融分野が専門で、中小企業の資金調達のコンサルティングをしてきたが、会社をM&Aの形で引き受け、直接支援を行う方へ事業活動の幅を広げていった。支援の核は、営業、製造、仕入れ物流、商品開発、品質管理、経営管理の各機能を、グループ横断的に統括するプラットフォーム。たとえば、販路拡大営業が弱点の会社に対し、グループ内から営業担当者を選抜してプロジェクトチームをつくり、ほかの子会社の販路やノウハウを活用することで、シナジーによる成長、建て直しを図る。同社は、ベンチャーキャピタルや産業革新機構などから出資を受け、16年には東証マザーズに上場を果たした。吉村氏は「大手企業、ファンドの支援対象が一定規模以上に限られる中で、中小企業の株式を長期保有して一緒に成長を目指すユニークな存在です。関与の場面では、現場との意思疎通を密にし、それぞれの企業文化に応じた柔軟な判断を心掛けています」と話した。

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