セミナーレポート

地方創生が加速する“光の国・徳島” ~LEDと光ブロードバンド環境がつくる「新未来とくしま」~

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LED関連企業の講演
環境首都徳島で持続可能社会実現に挑戦

藤崎電機代表取締役
ガイアパワー代表取締役
藤崎耕治

藤崎電機の藤崎耕治氏は、同社の再生可能エネルギー発電への取り組みを中心に語った。藤崎電機は、噴霧乾燥機や、LEDをさし込むボード「ルミネカンバス」等を開発・製造。米国留学時代に地球環境への危機感を持った藤崎氏の思いを反映し「人と地球に優しい技術で社会に貢献」をコンセプトに掲げ、早くから太陽光発電設備にもかかわってきた。

2011年にはガイアパワーを設立。特別目的会社を使って効率的に資金を回すスキームで発電事業を拡大した。急傾斜地でも太陽光パネルを設置できる特殊な架台を他社と共同開発中であるなど技術面でも普及に寄与し、計600カ所以上の太陽光発電設備を建設してきた。さらに、土砂崩れなどの災害を引き起こす放置竹林対策として、竹を燃料にした「バンブーバイオマス発電」技術をドイツの会社と共同開発。国内100カ所、海外1000カ所以上の展開に挑む。

人工知能(AI)を持続可能社会に利用する藤崎京都人工知能研究所(FKAIR)も設立。再生可能エネルギー発電所から収集したデータをAIで分析し、モニタリングやメンテナンスを最適化するほか、出力が不安定な自然エネルギー発電の課題を補うため、発電した電力をバッテリーに蓄えて最適に利用するシステムづくりを目指す。藤崎氏は「恵まれた自然環境があり、スマートコミュニティづくりに適したコンパクトなまちが多い、徳島は世界の環境首都を目指せるはずです」と強調した。

情報通信関連企業の講演
徳島県に対する取り組み

メディアドゥ代表取締役社長
藤田恭嗣

電子書籍流通大手、メディアドゥ創業経営者の藤田恭嗣氏は、故郷振興への熱い想いと取り組みを語った。藤田氏は旧木頭村(現那賀町)出身。限界集落化が進む旧木頭村の状況に危機感を抱き、特産のゆずの加工品を生産する農業生産法人・株式会社「黄金の村」を2013年に設立した。5期目となる今期は黒字化を見込み、さらに今年は、渋谷・ヒカリエで、ゆずを使ったデザートショップを運営するKITO YUZU株式会社も立ち上げて「小さな木頭をあちこちに作りたい」とアピールする。

現地の木頭地区でも「復興戦略」に着手。制作したゆるキャラ「ゆずがっぱ」は全国上位の人気になっている。さらに「心を一つにした木頭」をデザインしようと、公衆トイレ、バス停、家並みの統一を提案し、来訪客をもてなすカフェテラスなど20店を20年までに開店させる計画を打ち出す。閉校する小学校跡を活用して、アーティストやIT企業招致等を推進する地域連携拠点の設立。キャンプ場や企業研修施設の整備。澄んだ星空を生かした温泉ホテルや、移住者のための住宅100棟を用意……といった構想を示し「一体となって村を世界に発信し、持続可能な故郷を作りたい」と話す。

メディアドゥの徳島事業所開設を計画、自身も近く徳島県に戻るという藤田氏は「木頭、徳島、名古屋、東京、海外と、どこでも働ける新しい働き方を提案したい」と話した。
 

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徳島県商工労働観光部企業支援課
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