トヨタも認めた自動車部品「メガ企業」の正体 ドイツ勢が日本中に開発拠点を続々開設

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コンチネンタルだけではない。世界最大の部品メーカー・独ボッシュは、16年2月に「システムエンジニアリング」部門を日本に新設。シャシー(足回り)やステアリング(操舵機構)などの部品の組み合わせから電子制御の調整まで、横断的に統括する組織だ。

これにより「複数の部品とソフトウエアを一体化させ、ユニットにまとめたものを提案できる」(ボッシュ・シャシーシステムコントロール事業部長のルッツ・ヒレボルド氏)という強みが生まれる。ボッシュは21年までの6年間で日系完成車メーカー向けグローバル売上高を毎年10%以上増やす方針だ。

ドイツ勢が続々と拠点を設ける理由

トランスミッション(変速機)などで高シェアの独ZFも、15年秋に研究開発センターを横浜に開設し、2年間で70人のエンジニアの採用を予定するなど、規模を拡大中だ。

このようにドイツの「メガサプライヤー」が続々と日本の拠点を拡充している背景には、完成車メーカーと部品メーカーの関係の変化がある。

従来は完成車メーカーが新規の部品の開発要件や図面を提示し、「下請け」である部品メーカーがそれに従って開発・生産を手掛けていた。

だが、完成車メーカーの開発領域は環境技術や自動運転など、かつてないほど広がっており、すべてを自前で開発するのは難しい。加えて多くの部品で電子化が進み、機械的な「すり合わせ」の必要性が薄れてきた。そのため汎用的な部品については、開発の上流部分から部品メーカーに任せたいのが実情だ。

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