学生と社会人の「コミュ力」、3つの決定的違い 背景も価値観も異なる人と、つながるために

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簡潔さ

言葉はできるだけ短く、簡潔に、明瞭にするべきだ。必要以上の情報が言葉のなかに含まれていれば、相手はそのノイズを取り去るためにリソースを割かなければならない。

長い話が嫌われるのは学生も一緒であるが、社会人の場合、長い話はそもそも聞いてもらうことすらできない。無駄をそぎ落とした表現を心がけよ。

3. 要求を含むコミュニケーションに必要なこと
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感情の理解

要求に対する納得感は論理によって喚起されるものではなく、感情によって喚起されるもの、と理解する。あなたの言うことがいくら正しくても、相手の感情が拒否してしまえばそれでコミュニケーションは断絶する。

論理に重ねて、感情を訴えよ。そのために自分の気持を語れ。
「うれしい」
「楽しい」
「期待している」
「信頼できる」
などの気持ちを示す表現を使い論理を強化せよ。

価値観の重視

相手の価値観は、一緒に働いている人物であっても自分と異なると心得る。学生の頃とは、相手と共有するバックグラウンドがかなり異なることが普通であるからだ。

何に重きをおく人物なのか、何を重要視する人物なのかを理解し、自分の要求がそれに合致していることを示すこと。

時間

要求を含むコミュニケーションは手軽に済ませるものではない。時には辛抱強く相手の行動の転換を待たなければならないときもある。インスタントな手法に頼らず、原則を守ってコミュニケーションをとること。

はるかに多様なバックグラウンドを念頭に

社会人同士でかわされるコミュニケーションは、学生間のコミュニケーション、すなわち「コンテクストを共有している割合が大きいコミュニケーション」よりはるかに難しい。それは世代も異なれば、経歴、出身地、バックグラウンドなどが学生よりはるかに多様だからである。

こちらが当然だと思っていることが当然でなく、常識も異なる。そんな相手と確実にコミュニケーションを取るには、以上の3点を常に心がけることが肝要となるのだ。

安達 裕哉 ティネクト代表取締役

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あだち ゆうや

1975年東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事 。大企業、中小企業あわせて1000社以上に訪問し、8000人以上の ビジネスパーソンとともに仕事をする。現在は仕事、マネジメントに関する メディア『Books&Apps』を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う

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