ロハコの「主張しない日用品」はこう作られる 商品名が「前面に出ないこと」はメリットだ

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「主張せず、暮らしになじむ」というコンセプトに行き着いた背景にあるのが、2014年から取り組む「LOHACO ECマーケティングラボ」だ。

これほどまでに洗練された「ビスコ」を、あなたは見たことがあるだろうか

長年蓄積してきた膨大な販売データを分析し、新たなヒットを生み出そうとする取り組みで、初年度に12社だった参加企業は、現在は102社まで膨らんだ。ジャンルも消費財中心だったところから、食品、化粧品、医薬品、衣料品などに拡大している。

アスクルの本社内には、ラボの参加企業がパスカードを使って自由に出入りできる部屋がある。そこに設置されている端末では、個人が特定できない範囲で、ロハコが蓄積する販売データを閲覧することができる。

何が売れているか、何と一緒に売れているか、誰に売れているか(男女、年代、子どもの有無など)、どれくらいの頻度で売れているか、競合の類似商品と比べてどうか……。こうしたデータを基にメーカーが仮説検証を試みているほか、ロハコも独自の分析を各社に共有しているのだ。

あの日清食品も、ラボのデータを活用!

さらに、ラボの参加企業は商品のサンプリングや口コミキャンペーン、インスタグラム(SNS)での情報拡散実験など、ロハコのリソースを使ったさまざまな施策に参加することもできる。

かわいらしいデザイン。これらもインテリアとして部屋に置けそうだ

参加企業の一つ、日清食品は担当者が月に1~2回ラボを訪れている。「特に商品の購入者層や、各施策について、日清の商品を初めて買った方の割合がどうなるかを注視している。月一回の会合では、ロハコの今後の考え方や各メーカーの施策の効果が情報共有されるので、自社で参考にしている」(日清食品の新規事業営業部・EC営業課の飯田あかり氏)。

今年はラボで得た知見を生かし、毎日忙しく働く人向けにインスタント麺のアレンジレシピなどを提案する『ラーメンロハコ 略してラハコ』というコーナーを新設。これまでとは違った形の販売促進に踏み出している。

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