「PDCAを回せない人」は実行のコツを知らない 5つのステップで計画倒れから卒業しよう

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だとしたら最初から失敗しても擦り傷程度で終わる範囲で動けばいいというのが「行動ファースト」である。部下がチャレンジに失敗しても「これで仮説の精度が上がるね」と声をかける。「仮説は修正するためにある」と思っているからだ。

実行フェーズの5ステップ

さて、ここからは実際のステップの解説に入る。実行フェーズは、次の5つに分けられる。

ステップ① 解決案を「DO」に変換する
ステップ② DOに優先順位をつけ、やることを絞る
ステップ③ DOを定量化する(「KDI」を設定する)
ステップ④ DOを「TODO」に落とし込む
ステップ⑤ TODOの進捗確認をしながら実行に移す

ステップ① 解決案を「DO」に変換する

まずは、計画フェーズで3つに絞り込んだ解決案を、実際のアクションである「DO」に分解する。ここでは思いつくだけ挙げる。

解決案:クライントともっと交流を深めるべきだ
DO:2カ月に1回、会食に行く
DO:打ち合わせの前後の雑談時間を増やす
DO:ゴルフに誘ってみる
……etc.

ステップ② DOに優先順位をつけ、やることを絞る

ここでは膨れ上がったDOを若干スリムにしていく。

計画フェーズで挙げた3つの解決案は、それぞれ必ず実行に移したいので、解決案ひとつに対してDOがひとつしかない場合は無条件に選ぶ。

また、複数のDOがあっても「それをしないと始まらない」といった類のDOに関しては無条件で選ぶ(たとえば、資格勉強をするときの「参考書を買う」といったDO)。それ以外の複数の選択肢があるものについては、「インパクト」「時間」「気軽さ」のABC評価で優先順位をつけ、やることを絞り込む。

ステップ③ DOを定量化する(「KDI」を設定する)

私流のPDCAでは、ここで「DO」を定量化する。

それが、KDI(Key Do Indicator)である。端的にいえば、「どれだけ計画を実行できたか」を表す指標だ。成果を追うKPIと区別するために私が作った言葉だ。

KDIは、次の検証フェーズ(Check)において、計画どおりに行動ができたかどうかを客観的に判断するための指標である。たとえば1000ページに及ぶ大作の本を読むことがDOだとしよう。このような大きなゴールを達成するには、「毎週200ページずつ読む」といったようにこまめな行動目標=KDIを立て、毎週その達成率を確認しながら軌道修正をしていくことが必要なのである。

このKDIを設定する目的は、結果(KPI)が簡単にコントロールできるものではないからである。

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