テレビに出ない芸人が「町作り」をすべき理由 ライブのチケット代はゼロ円でも構わない

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たとえば、独演会に来てくれたお客さんに対して、「独演会のチケットの半券を○○という居酒屋さんに持っていけば、ビール1杯無料」と自分達が管理している居酒屋にアテンドしてあげる。

その居酒屋の店員さんの洋服がとにかくオシャレで、「それ、どこで買ってるんですか?」と聞かれた時に、「○○というショップだよ」と、自分達が管理している洋服屋さんにアテンドして、そのショップ店員の髪型が最高にイケていて、「どこで、髪を切ってるんですか?」と聞かれた時に、「これは、○○という美容室で……」と自分達が管理している美容室にアテンドして、その美容室で「今度、西野のライブがあるらしくて……」と。

こんな感じで、皆でお客さんをシェアし、エネルギーをリリースするのではなく、循環させて再び戻ってくる仕組みさえ作れば、「ゼロから2000人を集める」ということはなくなり、翌年は少し助走がついた状態で集客をスタートさせることができる。

お客さんとおカネを循環させる

そして集客を伸ばし、果てはテレビと駆け引きをできるぐらいまでになれるんじゃないかな?

『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』(書影をクリックすると、版元のサイトにジャンプします)

つまりテレビを面白くすることができる。

一見、すんごい遠回りだけれど、テレビを面白くするには、これがいちばん近道で、結論を言うと、「町」を作るしかない。

この町の目的は、世界観と財布をひとつにして、お客さんとおカネを循環させる経済圏を作ること。まあ、わかりやすく言えば、ディズニーランドだよね。

これがうまくいけば、たとえばビールの売り上げをライブの制作費にまわすことも可能で、つまるところ、ライブのチケット代をゼロ円にすることも可能だ。

西野 亮廣 絵本作家

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にしの あきひろ / Akihiro Nishino

1980年、兵庫県生まれ。1999年、梶原雄太と漫才コンビ「キングコング」を結成。活動はお笑いだけにとどまらず、3冊の絵本執筆、ソロトークライブや舞台の脚本執筆を手がけ、海外でも個展やライブ活動を行う。また、2015年には“世界の恥”と言われた渋谷のハロウィン翌日のゴミ問題の娯楽化を提案。区長や一部企業、約500人の一般人を巻き込む異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞した。その他、クリエーター顔負けの「街づくり企画」、「世界一楽しい学校作り」など未来を見据えたエンタメを生み出し、注目を集めている。2016年、東証マザーズ上場企業「株式会社クラウドワークス」の“デタラメ顧問”に就任

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