英語不要論者こそ「売国奴」だ 英語とITは子供の将来に必要不可欠

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英語と日本語のチャンポンについて

多くの方が誤解するのは、この問題を二元論で考えるからだろう。なぜか、日本語と英語を対立するもの、異質で相反するものととらえてしまっている。そうして、片方が強いと片方が弱くなると考えているようだ。

しかし、これは大きな間違いである。実際には、片方が強くなると、もう片方も強くなる。つまり、子供の頃から2つの言語で教育されると、2つの言語とも平行して強くなるのだ。

日本のインターの生徒たちを見ていると、英語と日本語をチャンポンにして話すことが多い。たとえば、「She is so かわいい」「Wow, This is really おいしいね」「A' you goin' どこ?」など。

こういう会話を聞いたら、誰もが中途半端な日本人だと思うに違いない。しかし、これは相手があくまで英語と日本語を理解できるという前提があるからであって、日本語しかわからない相手には使わない。つまり、彼らは状況によって言葉を使い分けているのだ。

私の娘も、小学生の頃はこういう話し方をした。しかし、ミドルスクール、ハイスクールになるに従い、日本人同士のときのはきちんとした日本語を使うようになった。よく帰国子女が、流暢な発音で英語を話すと、日本人英語教師が「日本ではそういう発音をしません」としかられる。それで、日本語発音に直してしまったという笑えない話がある。

これも言葉が状況とセットなっているからだ。つまり、英語を話すときは英語の発音を教え、日本語を話すときは日本語の発音を教えれば問題ない。

英語と日本語のチャンポンの例をもう少し挙げると、たとえば人の名前の発音は英語と日本語では大きく違いう。インターの子供たちは、英語の場合はMadonnaなら「マダゥナ」、Ben Affleckなら「ベナフレック」、Jennifer Lopez(Jello)なら「ジェイロー」と、英語でちゃんと発音する。しかし、日本人に日本語で話すときは、「マドンナ」「ベン•アフレック」「ジェニロペ」(なぜか日本語ではジェニファー•ロペスを“ジェニロペ”と略す)と、和製発音、和製英語にちゃんと代えて話す。

むしろ、英語かぶれの日本人のほうが、日本人に話す場合でも、英語発音を使いっているのではないだろうか?

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