有名小学校「お受験」の実態は? 慶應幼稚舎、早実初等部、聖心、白百合、筑波大付属…

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12年に最も話題になったのが、第1期生を募集した慶應義塾横浜初等部だ。「第二幼稚舎」と騒がれ、慶應義塾大学が東急田園都市線江田駅に小中一貫高を開校するはずだった。が、「慶大が08年のリーマンショックに伴う資産運用失敗で巨額損失を出したため、計画が一時頓挫した」(学校関係者)。その後、小学校のみ遅れて開校となったのである。同小の志願者数は1297人・合格者は108人で、倍率は12倍と、慶應ブランド欲しさに親たちの人気が殺到した。

11月に試験。ペーパーに行動観察、運動、さらに面接も

試験の傾向は学校によって異なるが、ペーパー重視の小学校は概してレベルが高い。たとえば、暁星小では図形構成などで応用力が問われ、東洋英和小学部では運筆や筆圧などの基礎力がチェックされる。成蹊小学校では長い話の記憶力が要るなど、大人でも身構えるような内容だ。

もちろんペーパー試験だけではない。行動観察では集団行動における強調性や積極性が求められる。運動能力のテストも、風船運びや体操、ボールゲームなど、いずれも必須のところが多い。さらには面接もあり、親子面接のほか、成城学園小学校のように、両親面接を重視する学校もある。

試験の時期だが、都内の私立小の場合、10月中に願書を提出、11月1日(今年は木曜日)に試験というのがパターンである。有名校との衝突を避け、あえて2日(金)にずらす学校もある。試験の1週間後くらいに発表、そして手続きという段取りだ。

ちなみに試験より前、どの学校を受けるかの段階では、7月に学校説明会を設けるところが多い(説明会への参加・不参加は試験の合否とは関係ない)。中には、6年間同じクラス、同じ環境というところもある。ある有名校を受験した母親の1人は、「集まる保護者の雰囲気、トイレやロッカーの使用状況、グラウンドの様子なども判断材料になる」と振り返る。

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