エリート教育とおカネ グローバル時代に勝ち残れ!

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ゆとり教育に将来不安 「中高一貫校」人気の背景

ごく一握りのエリート予備軍は、すでにグローバル化を見据え、行動に移し始めた。ただ、大多数の生徒は、激変する世界の潮流とは無縁の生活である。留学離れなど「内向き」志向は進むばかりだ。

若者の学力低下が懸念される日本。学校に完全週5日制を導入し、学習内容を3割減らす“ゆとり教育”が始まったのは02年である。他方で少子化も進み、18歳人口は1992年の205万人から、12年には119万人まで激減。大学は「全入時代」へと突入した。

そうした中、優秀な生徒を集めたのが、私立の「中高一貫校」だ。6年間かけて勉強させるプログラムが見直され、難関大学への進学実績を積み上げていく。さらには公立でも一貫校の開校ラッシュが続いた。東京都立の小石川や白鴎、桜修館などでは、毎年5人前後の東大合格者を着実に輩出している。子を中高一貫校に入れるため、小学校低学年から受験対策を始めるなど、勝ち組になるための努力は尽きない。

森上教育研究所の森上展安社長は「同じアッパー層でも、グローバル志向なのは、生徒の父親が商社や国際企業勤めのケース。反面、国内で東大を目指すのは、親が医者や弁護士などの資格業種」と苦笑する。

下図は幼稚園から大学まで教育費がいくらかかるか表したものだ。

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