市場規模9兆円!知られざるネット通販の実態 アマゾン、ヤフー、楽天…裏側はどうなっているのか?

拡大
縮小

顧客に新たな価値を提供する、キュレーションサービス

ただ、ネット通販市場の拡大とともに課題も山積している。その大きな一つが物流の深耕策だ。特に物流で求められるのはスピード、コスト、質の3つ。ネット通販で国内最大手(売上高)のアマゾンジャパンは、当日配達、送料無料、時間指定など物流サービス全般において業界をリードしてきた。間もなく12番目の物流センターが神奈川県小田原市内で稼働する。モール型通販サイトで日本一の楽天も、来年にかけて物流センターを一気に拡充し、アマゾンに追いつこうと躍起だ。ヤフーはアスクルと組み、日用品通販の「ロハコ」事業を始めたが、物流面で先行するアスクルの設備やノウハウを活用している。将来はヤフー!ショッピングの商品にもこの物流ルートを利用していく計画だ。

さらに、ECやO2Oの進展の中で、新たなベンチャーも現れてきた。中でも注目なのが「キュレーションEC」。買い手にとって予想もしなかった商品との出会いをつないだり、センスの合うユーザー同士を結んだりするサイトだ。大手ネット通販には、まねできないこだわり商品が人気を呼んでいる。

ネット通販の登場で「買い物のあり方が根本から変わった」と言っても過言ではない。ITを駆使したマーケティング理論を活用し、新たな買い物市場を創出している。そんなネット通販の動きを、ユーザー、ショップ経営、企業それぞれの視点から徹底解説したのが、7月1日発行の『週刊東洋経済』臨時増刊『ネット通販 大解明!』だ。楽天、アマゾン、ヤフー、リクルート(ポンパレモール)から、リアル陣営の各業界大手のネット戦略、新たなECベンチャーの取り組み、そしてネットショップの成功術などを、丸ごと一冊にまとめた「ネット通販ムック」。ぜひ、この機会にご一読をお願い致します!

鈴木 雅幸 東洋経済 記者

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すずき まさゆき / Masayuki Suzuki
2001年東洋経済新報社入社。2005年『週刊東洋経済』副編集長を経て、2008年7月~2010年9月、2012年4月~9月に同誌編集長を務めた。2012年10月証券部長、2013年10月メディア編集部長、2014年10月会社四季報編集部長。2015年10月デジタルメディア局東洋経済オンライン編集部長(編集局次長兼務)。2016年10月編集局長。2019年1月会社四季報センター長、2020年10月から報道センター長。
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