職場でのカミングアウトは「両刃の剣」? 円滑なカミングアウトは企業にとってプラスなのか?

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LGBTが働きやすい職場というのは、実は、LGBTではない人にとっても、働きやすい職場になるはずです。LGBTの視点で職場を見直すことは、職場の男女による違いを別の角度から検証することにもなり、女性活用やダイバーシティ施策を推進する力になります。

「LGBTの問題って、うちと関係あるの? 外資系や大企業だけの話じゃないの?」

今、このコラムを読んでいる方の中にも、LGBT施策に興味はあっても、自分の会社でできるだろうかと、迷っている方がきっとおられると思います。日本の企業、大企業から中小企業まで、「約半数の職場で差別的な言動」があり、そのことが「社員の人間関係やストレスに悪影響を与え」「やりがい(生産性)を阻害している」。今回の調査で得られたデータは、日本企業がLGBT施策を始めるための、ひとつの強力な材料になるものだと思います。

私たち、虹色ダイバーシティがかかわってきた企業をみて言えることは、はじめの一歩を踏み出だせば、次の景色が見えてくるということです。「LGBT施策に興味がある」と誰かが言い出せば、同じく興味がある仲間が集まります。社内勉強会を開催したら、社内の当事者からフィードバックがあり、さらに別の施策を考えることができるようになります。

はじめの一歩ですが、たとえば、このコラムをSNSでシェアしたり、社内で紹介したりすることから、始めてみてはいかがでしょうか? LGBTかもしれない同僚のために、勇気ある一歩を踏み出す人が現れることを、心から願っています。

柳沢 正和
やなぎさわ まさかず / Masakazu Yanagisawa

1977年東京都生まれ。慶応大学総合政策学部卒。ドイツ銀行グループ LGBT従業員グループdb Prideアジア代表

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