白熱教室:灘高は英単語をこう教えている 日本の英語教育を変えるキーパーソン  木村達哉(中)

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CD音声を聞いて物まね

ここで何回かCDを流しますので、オーバーラッピング(文字を追いながら音声を聞くときに、一緒に朗読すること)をしてください。オーバーラッピングする際は、物まねすることが大事です。音のまねをするためには、大きい声を出すと邪魔になるので、控えめなボリュームでやってください。

カラオケで歌いたいからとCDを買って家で練習するときも、いきなり大声で一緒には歌わないのと一緒です。何回も聞くうちに歌えるかなという部分を一緒に口ずさみ、ある程度歌えるようになったと思ったら風呂場でデビューする。そこで「あ、ここまだ歌えない」という部分を風呂から上がったら、もう一度聞き直すでしょ? そのとき大きな声で一緒には歌わない。大事なのは耳のほう、CDを聞くほうで、それの物まねをするために声をちょろっと出すんです。

我流で発音することはジャパングリッシュを引き起こしますので、できるかぎり発音やリズムをまねるようにやっていきます。僕はwhisperingと呼んでいるのですが、要は小声です。

何回かオーバーラッピングをやると、音がだんだんわかるようになってきます。「もうそろそろいけるな」と思われた方は、スクリプトを見ないでシャドーイングに入ってください。

音読トレーニングをやっていて、いちばんマズいのは、「自分はいつまで経ってもできない」というメンタルバリアーです。ダイエットと同じで、大事なのは続けること。「よし、なんとかできるようになるぞ」「これならイケる」という勢いで取り組みましょう。

シャドーイングも何度も繰り返し行います。今回は簡単なスクリプトを使っているので楽だと思うのですが、これがモノローグ(独白)などになると、難易度も上がって一気に面白くなります。

(構成:山本航)

※  続きは7月4日(木)に掲載します

安河内 哲也 東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師

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やすこうち・てつや / Tetsuya Yasukochi

1967年福岡県生まれ。上智大学卒。予備校講師、教育関連機関での講演などで実用英語教育普及に従事。著書に『子どもの英語力がグンと伸びる最強の学習』(扶桑社BOOKS)など。

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