カンボジア人に学ぶ、「恩返し」の作法 同じ仏教徒でも、これだけ違う!

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見下されたら、会社を辞めるかも!?

――ビジネスをするうえでの特徴はありますか?

ヴィリャさん:ビジネス界では法律を細かく守るというのが仕事のスタイルだと思いますが、カンボジアは「何でも話せる」「柔軟な対策は必ずある」という柔軟性を持っています。そこは日本の方が理解できないほどだと思います。何か問題があっても、話し合いをすれば何とか解決策はある、という考えなのです。

カンボジアにはアブサラダンスという宮廷舞踊があります。この踊りはとても柔らかくて柔軟性がありますが、しっかりとしています。それがカンボジア人の国民性を表していると思います。お客さんに対しては柔軟で丁寧でありながらも、芯がしっかりとしているのです。

――武道も伝統があると聞きます。

ヴィリャさん: カンボジアには2000年ほど前から続く古典武道があります。実はそれがカンボジアと日本の友好60周年の記念事業として、7月1日に日本武道館で行われるのです。5時半からスタートで入場無料で誰でも入れますので、ぜひお越しください。

武道はアンコールワットの彫刻にも入っていて、スポーツというより戦争の技です。ポルポト時代に強い人が殺されてしまい、残っている師範が少ないのです。それを今、維持しようとする運動が活発になっています。無形文化財として登録したいと思っています。

――タブーとしてはどのようなことがありますか?

ヴィリャさん:仏教の国なので、頭は絶対に触ってはいけません。初対面などで肩をたたいたりしてはいけない、足を組んで座ってもいけません。上下関係が大切なので、見下すことはとても嫌がります。従業員などが見下す感覚を感じれば辞めてしまうと思います。

――日本では部下に横柄な態度を取ることもありますよね。

ヴィリャさん:見下されるのはいちばん嫌いなのです。普通に丁寧に話し合って、人の尊厳を保ちながら話しをすることが大切。人の前でしかったりしてメンツを潰してはいけません。日本とカンボジアでは文化が違うので、ミスコミュニケーションがあるのは当然です。でも言いたいことはきちんと言いながらも、丁寧に言うことが必要です。発展途上国というのは国の問題であって、そこにいる人に上下があるわけではありません。

意外と深い、日本とカンボジアの関係

――カンボジアと日本の関係をどうお考えですか。

ヴィリャさん:両国の歴史は長く、今年は外交関係が樹立して60周年です。カンボジアは樹立の翌年、日本の戦争の賠償請求権を放棄したアジアではまれな国です。

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