要注意!iPhone「偽アプリ」急増の深刻度 米国で偽の小売店アプリが何百も出現

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セキュリティの専門家によると、偽アプリは中国で作られているものが断然多いという。偽の小売アプリの多くに、本物ではないことがわかる印が見られる。たとえば、めちゃくちゃな英語で書かれた意味の分からないメニューや、過去のバージョンの履歴やレビューが存在していないことなどである。ニューバランスの偽アプリは、電話サポートのタブに電話番号が記されていなかったし、説明文にもスペルミスなどの間違いが見られた。

公式アプリを持たない企業は狙われる

メイソンによると、消費者がオンラインで買い物をしようとする場合、気に入っている店舗やブランドのアプリを探そうとするという。したがって、「最も危険にさらされるのは、アプリを一つもリリースしていない企業だ」。たとえば、ダラー・ツリーやディラーズには公式のiPhoneアプリがない。そのため、顧客は簡単に偽のアプリに引き寄せられてしまう。

しかし、公式のアプリがアップストアに存在する場合でも、偽アプリはそれをまねしようとする。どれが本物なのかと顧客が混乱するのを利用しようとするのである。

たとえば、フット・ロッカー(Foot Locker Inc.)は三つのiPhoneアプリを運営しているが、それでもフット・ロック・スポーツ(Footlocke Sports Co. Ltd.)と称する組織は、アップストア内で16の靴・アパレル販売のアプリをリリースした。

また、スーパーマーケットチェーンのクロ―ガー(Kroger Co.)は、同社グループが展開するさまざまな小売チェーンのiPhoneアプリを20本運営している。ところが、クロガー(Kroger Inc.)と名乗る別の組織が19のアプリを運営しており、80ドルのアシックスのスニーカーから688ドルの香水まで、さまざまな物を販売していると称している。

偽アプリの中には、最近始まったアップルの有料検索広告を利用しているものさえある。顧客がアップストア内で特定のブランドを検索しているときに、検索結果画面のトップに表示されることを狙ってのことだ。

インターネット・セキュリティ会社トレンド・マイクロのディレクター、ジョン・クレイによると、アップルはiPhoneを厳しく管理してきたため、悪意のあるアプリはこれまでアップストアから締め出されてきたという。偽アプリは、グーグルのアンドロイド・プラットフォームやサードパーティのアプリ市場に現れることが多かった。

しかし、この状況は変わり始めた。たとえば、今年7月に米国で「ポケモンGO」が発売された直後に、このゲームに関連した偽のiPhoneアプリが多数出現した。特に、まだゲームが配信されていない国々でそれが顕著だった。

「犯罪者は流行っているものなら何でも利用しようとする」と、クレイは言う。

(執筆:Vindu Goel記者、翻訳:東方雅美)
© 2016 New York Times News Service
 

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