中国人、ただ今スマホで「微信(WeChat)」中 実際に使ってわかった人気のヒミツ

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安心して使えるSNSアプリ

中国語で「朋友圈」(友だちグループ、の意)と表示されるプラットフォームの中で親しい友人たちと自分の近況、画像、音楽などを提供・共有して互いに「赞」(いいね)やコメントを貼り付けたりして交流しているかぎり、うっかり個人情報を不特定多数に発信したり、自分のサイトが攻撃されたりすることはありません。このあたりの安心感も微信の爆発的普及の要因になっていると思います。

自分や友人のマイクロブログでグループ内からの反応がよいのは経験上、「おいしそうな食べ物」「高そうなクルマ」「カッコいい人、きれいな人」「特別なイベントへの参加」「海外旅行」などのオリジナル写真です。日記風の他愛ない情報を通して交流を深めるのは日本と変わりません。

言い遅れましたが、中国では国策によりTwitterもFacebookも使えません。したがって中国版の代替アプリが出現するわけですが、中国版Twitterである「新浪微博」の勢いは明らかに衰えていますから、中国人の間でもオープン型のSNSより微信のようなクローズド型アプリへの乗り換えが起こっているのだと推察されます。

また、微信のスタンプ機能はLINEに比べるとお粗末なものですが、友人たちからGIFベースの楽しいオリジナルスタンプが送られてきますから、保存してバリエーションを増やすことができます。意外なほどニュアンスに富んだ簡易メッセージとして機能することがわかってきたようで、私の友人たちの間ではスタンプをテキストと併用する人が増えています。LINE大躍進の原動力であるスタンプは、モバイルチャットの隙間にうまく入り込んだコミュニケーション方法です。今後、中国でも浸透していくと思います。

もうひとつ、中国人がよく使っている機能が音声メッセージです。街中でよくスマホに独り言のように話しかけている人を見かけますが、これは文字入力が面倒な場合、口頭でメッセージを吹き込んで音声データとして送信する機能を使っているのです。また、WiFi環境にあれば動画付き無料通話も可能です。

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