よいゾンビ企業と悪いゾンビ企業

ド直球で企業再生を考える

戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。 
企業を再生することは本当に可能なのか?

昔から連綿と愚痴られていることのひとつですが、隙間時間を埋めるメディアが増えてくると、退屈とか暇だとかが圧倒的に少なくなって、それと比例して物事を考える時間もまた減ってきたように思います。隙間時間を埋めるメディアとは、今で言うとスマホとか携帯ですね。

私も東京にいるときは隙間時間があるとつらつらと携帯をいじっていて、時間を持て余すという概念そのものがなくなったように感じていました。しかし3年前に会津の地に来て、あらためてこの年月を振り返ると、そんな隙間時間を埋める思考の時間がやたら増えてきたように感じます。

地方で自分の携帯が通じにくいことに対する不満を、書き散らかしているわけではありません。特定のキャリアに対する文句を言っているわけではありません。むしろこの状況を前向きにとらえています。私は、そんな携帯が通じない空白の時間を使って、普段じっくりと考えないことをなんとはなしに考えるようになりました。

企業にはライフサイクルがある

「企業再生」という言葉の意味。そもそも、企業が再生することなんてありうるのでしょうか。

「再生」という言葉が想起させる一般的な意味は、瀕死状態の事象が再び生き生きとよみがえることです。再生という言葉には、「時間を逆行する」というニュアンスが強く含まれているように思います。

企業には人生と一緒でライフサイクルがあります。幼年期があり、成長期があり成熟期があり衰退期がある。そこはまさに人生と同様に不可逆なもの、時間を逆行しえないものだと思います。無理なアンチエイジングが体に有害だったり幻想だったりするのと一緒で、成熟している企業を過去の成長期に戻すのは、同じように不自然だったり幻想だったりするように感じます。

つまり、字義どおりの企業再生というのは構造的にありえません。

それでは……、「企業再生」というのは無駄な努力なのでしょうか。

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