パズドラのヒット、半分以上は"運"です 経営トップと開発責任者を直撃

拡大
縮小

──最初から女性ユーザーも意識していた?

森下:パズルというゲーム性で、カジュアルなライトユーザーも取り込もうということを考えていくと、やっぱり女性も含めて幅広い層に遊んでもらいたかった。そのときに、女性が横持ちでゲームをしているイメージが湧かなかったんですよ。何か統計データがあったわけではなく、感覚です。

──なぜパズルゲームを選んだのですか。

山本 大介(やまもと・だいすけ)
1978年生まれ。ゲーム企画会社やハドソンを経て、2011年にガンホー入社。ハドソンでは「エレメンタルモンスター」シリーズなどの開発を手がけた。

山本:海外の「ダンジョンレイド」というパズルゲームにはまって、以前からこういうゲームを作りたいと思っていた。ガンホーに入ってから企画がふと思い浮かんだんです。

森下:彼はハドソン時代から本格的なカードバトルゲームを作るのが得意だった。

僕も今の日本のソーシャルカードゲームみたいなものではなくて、本当にゲーム性をしっかり持たせたものを作れないかと思っていました。従来のカードバトルゲームの要素はあっても、やっぱりオリジナリティのあるゲームを作りたかった。で、入社初日に「大介、1週間で企画を作ってこい」と(笑)。

でも、きっかけは本当に感覚でしかない。何かの分析やデータがあるから、それに基づいてゲームを作ろうという発想ではまったくないです。

──パズドラビジネスを今後、どのように拡大していきますか。

森下:任天堂のスーパーマリオやポケモンみたいな国民的なブランドに育てていきたい。さまざまなグッズの販売や、今後はアニメ化といった横展開も考えられる。夢を言うと、自分の孫やひ孫までつながっていくものにしたいと思っています。

──一方で、ゲームのはやり廃りは早い。ユーザーが飽きてしまう恐怖はありませんか。

森下:パソコン向けオンラインゲームの「ラグナロクオンライン」を始めたときに、記者さんによく「寿命は?」って聞かれたんですよ。「みんな、飽きるじゃないですか」って。でも10年以上続いている。

ただ、当時20代だった人は30代になっている。若い子もプレーするようになっている。そういう部分で言うと、長く遊んでもらえるように、中身を進化させていかないといけない。時代の変化にどう対応していくか。ブランドを大切にしながらもクオリティを大切にして、一つひとつアップデートという地道な努力を続けるほかない。それでダメだったら仕方ありません。

次ページ失敗の積み重ねがヒットの勘を育てる
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT