相手の心をつかむプレゼンが「13分」なワケ 頑張って「説得する」ような話し方は3流

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かくいう私も最初からそんな芸当ができたわけではない。ある程度経験を積んで自信ができてから、起承転結に代わる新しいスタイルとして編み出した。

読者の皆さんもこの方法を試す前に、起承転結のプレゼンに慣れておこう。それからトライしても遅くはない。また、最終的にどういう順番でプレゼンをするにしても、結論をロジカルに導くときには、起承転結という順番で考えるといい。

プレゼンは13分、プレゼンシートは3枚以内

私が講演で話すときは、1つの山場が13分以内で終わるように気をつけている。1対1でビジネスの話をしたり、大勢を前にプレゼンテーションしたりするときも、同様に“13分ルール”を守っている。

それはどんなに興味深く、魅惑的な話でも、聞き手の集中力はそれくらいしか続かないからである。13分を大きく超えると面白い話も記憶に残らないし、話が間延びすると逆につまらなく受け止められる。聞き手が飽きているのに、気づかないで話し続けるのはナンセンスである。

なかには、プレゼンでプレゼンシートを何十枚も使って説明しようとする人がいる。

経営コンサルタントの最終提案ならば、それくらいのボリュームになるのはわかるが、社内会議やプロジェクトに向けた通常のプレゼンなら、プレゼンシートは多くても3枚程度にとどめてほしい。無論、1枚に結晶化するのがベストだ。

プレゼンシートは1枚説明するのに3分くらいかかると考えると、3枚で約10分。前置きや結論を入れるとトータルで13分程になる。

発表する側としては、分厚いプレゼンシートをつくると達成感がある。「これだけ頑張って資料をつくったのだから、相手はきっと認めてくれる」という、お守りのような効果もあるのだろう。

でも、コミュニケーションの基本は相手の立場に立つことである。その原理原則に従うなら、やはりプレゼンシートは多くても3枚にとどめておきたいのだ。

あらゆるプレゼンを3枚以内にとどめるトレーニングをしておくと、物事の本質をつかむ能力も自ずと磨かれていく。

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