小池知事はお膝元の疑惑にどう向き合うのか 豊島区議の不透明な政務活動費は1000万円超

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だが河原区議は自民党区議団の幹事長として、采配をふるう権限を持っている。そして実際に、河原区議の証言とは桁違いに多い金額が区内の印刷会社に支払われていることが明らかになったのだ。

同じテレビによる取材の中で、河原区議は「小池さんに迷惑をかけないようにしないと」とも述べていたが、自民党からの処分を覚悟して東京都知事選で小池氏を支援した河原区議は、いわば小池知事にとって「城代家老」のような存在。本人の思いとは別に、問題が知事に飛び火する可能性は否定できない。

リオ滞在中の小池氏にモーニングコール

この問題を複雑にしているのは、小池知事と河原区議がきわめて近しい関係にありそうなためだ。

そのことが明らかにされたのは9月28日に放映されたフジテレビ系のワイドショーだった。番組に出演した河原区議は、小池知事とは「妻以上にまめに連絡をとる関係」をアピール。ブラジルのリオ五輪パラリンピック大会の閉会式に出発する直前の小池知事から電話をもらい、「しばらくリオに行くので後は宜しく」と託されたことを披露した。

また小池知事から帰国後に、「無事リオから帰国。お土産は五輪旗と風邪。でも元気です」とのメールももらったとも告白。その時の感想を司会者に尋ねられ、「嬉しかった。小池さんの人柄が感じられて、やはり小池さんならいいなという気持ちになった」とはにかむように返答している。

さらに「(小池知事からのメールは)わりと来ますね。他の方々と比べて多いんじゃないですかね」と知事との関係をさりげなく強調するとともに、リオに滞在中の小池知事にモーニングコールをかけていたという“秘話”までも公開した。

このような河原区議の態度に対して、「としま政務活動費を考える会」の竹田克也代表は「迷惑を被っているのは我々豊島区民」と憤り、区民不在のようにも見える河原区議の言動を強く批判している。

政務活動費の問題は、決して「小さな不正」ではありえない。2011年度から2013年度にわたって計344回もの虚偽の「日帰り出張費」計上を繰り返して約913万円をだまし取り、詐欺罪などに問われた野々村竜太郎元兵庫県議の有罪(懲役3年・執行猶予4年)が7月21日に確定している。

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