KDDI株主総会、重なる失態に陳謝 通信障害、業績への影響は軽微

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KDDIは6月19日、東京都港区の品川プリンスホテルで株主総会を開催した。冒頭、田中孝司社長はアイフォーン5(iPhone5)のLTEエリア誤表示問題と頻発している各種の通信障害について「深く反省しており、再発防止に取り組む」と陳謝した。会場に訪れた株主は348人。剰余金の処分や定款の一部変更、取締役12名選任などの議案はすべて承認された。

株主から寄せられた質問の中には、通信障害による業績への影響を問うものもあった。これに対し、田中社長は「業績への影響は軽微なものにとどまる」と説明。店頭では大きな変化はなく、販売自体は堅調に推移しているようだ。

そのほか、質問に対して田中社長を含む各取締役が回答していった。シニア向けのスマホの導入を求める声に対しては、今週発売となる「アルバーノ」に文字が大きくなり初心者にも使いやすい画面に切り替えられる機能が搭載されているとし、さらに機能改善を進めると説明。グループのUQコミュニケーションズが展開予定の次世代高速通信サービス「WiMAX2+」(ツープラス)ついては、新たな周波数の割当を要請しており、TD-LTE(LTE規格のひとつ)と互換性のある規格でサービスを展開するとした。

コンテンツ、サービス展開の強化を表明

中長期の成長戦略については、単に通信回線を売るだけになる「ダムパイプ化」(土管化)を避けるために、コンテンツ、サービス展開を強化すること。さらに、自動車やスマートメーターなどM2M(機器間無線通信)分野の取り組みを加速することも明らかにしている。

また、KDDIは直接回答しなかったが、株主から「私のめいがアイフォーン5を買いたいというのでauを薦めたのだが、結局、こっちのほうがつながりやすいと言われたからと、ソフトバンクのアイフォーンを買ってきた。通信障害が頻発しているので、ネガティブキャンペーンをやられているんじゃないか」といった指摘もあった。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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