失敗や挫折を乗り越える人の「具体的な方法」 TEDで人気のセラピストが語る「応急処置」

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大きな失敗をすると、「もう何をやってもダメなんだ」と無力感に襲われますが、そんなときは、自分が無力ではないと自覚することが大切です。「自分の力で何かを変えられる」という気づきは、心の状態を改善し、深刻な症状を防止するのに役立ちます。

失敗や挫折に対する心のケアの方法

<計画上手になるエクササイズ>

それでは、具体的にはどうやって現状を改善していけばいいでしょうか。

ステップ1 目標をできるだけ具体的で現実的なゴールに落とし込む

「夏までにやせる」という目標は現実的かもしれませんが、あまり具体的ではありません。逆に「宝くじで1等を当てる」という目標は、具体的ですが現実的ではありません。具体的かつ現実的な、無理のないゴールを設定しましょう。

ステップ2 ゴールまでの道のりを、いくつかの短期目標に分ける

長期的なひとつの目標までの道のりに、大きすぎず、小さすぎない、いくつかの短期目標をつくっておきましょう。短期目標が難しすぎるとくじけますし、簡単すぎると飽きてしまいます。最初はやさしめに、だんだんハードルを上げて行って、つねにちょうどいい負荷がかかるような状態が理想的です。

また、結果よりも行動に着目しましょう。ダイエットの例で言うなら、「2キロやせる」という目標よりも、「週に2回はジムに行く」という目標がベターです。何キロやせるかは結果であって、自分で変えられる行動ではないからです。

ステップ3 短期目標と最終的なゴールに、それぞれ期限を設定する

短期目標一つひとつに開始日と終了日を設定して、最終的なゴールにたどり着くまでの期間を決めておきましょう。

最終的なゴールの期限から逆算して考えるのもありですが、それだと無理なスケジュールになりがちです。できれば短期目標にかかる時間を検討し、積み上げ式で期限を設定するほうがいいでしょう。

ステップ4 目標を邪魔する要素を洗い出す

目標までの道のりでは、思わぬ邪魔が入ったり、誘惑が現れたりするものです。

たとえば禁酒するという目標の場合、週末のパーティや、仕事の会食でワインが出される可能性なども計算に入れておく必要があります。どんな邪魔な要素があるか、洗い出しておきましょう。

ステップ5 邪魔や誘惑に対処する方法を決めておく

ステップ4で洗い出した邪魔や誘惑に対して、どう行動するかを決めておきましょう。このとき大事なのは、否定形ではなく、能動的な行動として記述することです。

たとえば禁煙を目標にしているなら、「タバコをすすめられても吸わない」ではなく、「タバコを1本すすめられたら『禁煙中なんです』とはっきり言う」という行動にするといいでしょう。

以上の5ステップで、完璧な計画をつくり、うまく実行できればすばらしいことです。しかし、うまく実行できなかったり、実行したはずなのに成功に至らなかった、ということもあります。

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