武蔵大学

日本初!ロンドン大学の学位を
取得できるプログラム

武蔵大学

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)を擁するロンドン大学の国際プログラムを、武蔵大学の授業と並行して履修する「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)」が2期目を迎えている。ロンドン大学の経済経営学士号取得を目指し、日本の大学のイメージを覆す英国流の厳しい環境が学生を鍛える。

建学時から国際化を推進 日本での留学体験拡充

この日の授業は、PDPの1年生が受講する基礎教育プログラム(IFP)の国際関係論で、南北アメリカ大陸を扱っていた。地図を指しながら「ここの国名は?」とマイケル・マグカミット助教が尋ね、彼を囲むように席についた学生たちが答えるところから始まり、政治・経済・社会状況に話は及んだ。やり取りはすべて英語。和やかな雰囲気の中にも、教員の話を聞き取ろうとする学生たちの目には真剣さが宿っていた。

武蔵大学は、東武鉄道や東京地下鉄道(現東京メトロ)などに携わり鉄道王と呼ばれた、実業家の根津嘉一郎(初代)が、1922(大正11)年に創立した旧制武蔵高等学校が前身。戦後の学制改革で1949年に新制武蔵大学が開設された。建学の理想には「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物」「世界に雄飛するにたえる人物」「自ら調べ自ら考える力ある人物」の育成を掲げている。その理想は現在にも受け継がれ「ゼミの武蔵」として4年間必修の少人数ゼミナールに結実している。

「世界雄飛」「東西文化融合」の理想が示す国際化として、旧制武蔵高等学校を開校して間もない頃から生徒を海外へ派遣。1980年代以降は、学生自らが計画した海外調査研究に対する奨学金制度や、協定校への留学を推進してきた。協定校は現在、世界中に19校あり、例年20数人の学生を海外に派遣、ほぼ同数の留学生を受け入れている。本学園が100周年を迎える2022年までに協定校倍増を目指している。

学長
山㟢 哲哉

また、外国大学日本校として30年以上の歴史がある米国・テンプル大学日本校と包括協定を締結。単位互換制度を設け、日本で米国大学の教育を受けられる仕組み作りにも取り組んできた。

山㟢哲哉学長は「教育目標の一つ『実践』は、世界に思いをめぐらせながら身近な場所で実践することを掲げています。海外への留学を負担に感じる今の時代、日本に居ながら海外留学と同様の体験ができる機会を提供する意義は大きいと思います」と話す。

とことん学びたい人のための国際プログラム

ロンドン大学は、18のカレッジと九つの研究機関により構成される世界レベルの総合大学で、日本でも有名なLSEもカレッジの一つである。PDPは、武蔵大学に通いながら、LSEの学術指導の下でロンドン大学の国際プログラム(IP)を並行履修し、両大学の学士号を取得できる制度。ダブル・ディグリーとは違い、留学を必要としないため金銭的負担が少ないのも特徴だ。

1年次は、4~5月の授業、6~7月のフィリピン・セブ島での海外研修で英語力を鍛える。その中からIELTSスコア5.5以上を取得した学生だけが9月からのIFPを履修できる。その後も毎春の期末試験に合格しなければ、事実上の落第となる欧米式のシステムだ。1期生は20人でスタートしたが、現在は10人程度という事実が難易度の高さを物語る。

山㟢学長は「当初は学生が本当に集まるのだろうか、と心配しました」と振り返る。学生生活を彩るはずの、クラブ活動やアルバイトをする余裕はほとんどない。無事最後まで進んでも、IPは5年目の5月に卒業試験があるため、就職活動も工夫が必要だ。それでも、厳しい環境に身を置いて、世界標準の勉強をしたいという学生のニーズを集めている。今年から、事前にPDP履修を確約する入試「PDPパスポート型1」も新設した。

経済学部教授
東郷 賢

武蔵大学のPDPは、受講料や英語研修費用の半額程度を奨学金で支援してくれるのも魅力だ。ただし、PDPの責任者、東郷賢教授は「奨学金による経済的負担軽減だけでは厳しい授業、テストを乗り越えられません。ロンドン大学の学位を得ることで卒業後に見える世界が変わる可能性をイメージし、努力することが大事です」と語る。IPは世界180カ国で展開され、IELTSスコア7.0以上の好成績の学生はIPの3年次に現地ロンドンのLSEで1年間学ぶ制度(ジェネラルコース2)がある。卒業後は欧米の有名大学院進学への道も広がる。

PDPには、学内への波及効果も期待される。ほかの学生と一緒に受講するゼミでは「PDP履修者の発表のレベルの高さが周りへの刺激になっています」(東郷教授)という。また、基礎からの積み上げを重視するロンドン大学のプログラムは、教員個人の専門に傾きがちな日本の大学の講義内容を体系的に整理し、見直すきっかけにもなる。

今春入学の2期生は26人でスタート。IELTS5.5スコアのハードルを越えた24人が残る。毎回の宿題と採点、学生からの質問への回答と、PDPは教員の負担も多いが、東郷教授は「熱意のある学生に応えることは教員冥利に尽きます」と微笑んだ。

* 1 2017 年度特別選抜入試「PDP パスポート型」は終了しています
* 2 ジェネラルコース http://www.lse.ac.uk/study/generalCourse/home.aspx
マイケル・マグカミット[Michael Magcamit]助教(政治学/フィリピン大学卒業、カンタベリー大学大学院博士号取得)が担当する国際関係論の授業風景

仲間と切磋琢磨して乗り切る高レベルの学び
経済学部 経営学科2年
遠藤 開智

高校時代は理美容の道を思い描きつつ、テニス一色の日々。武蔵大学経済学部に進んだのは、将来、独立起業するなら経済・経営学の知識は必要だろうといった動機からでした。PDPのことは合格後に知り、より多くのことを経験したいと考え応募したのですが、今は学問がとても楽しいと感じています。

授業は聞くだけではなく双方向。先生からの質問も多いので、テキストを事前に読み、理解しておくことは不可欠です。英文で書かれた教科書を読むのは最初は苦労しますが、できるようになれば喜びに変わります。わからないところを教え合う仲間と、質問に懇切丁寧に答えてくれる教授陣の支えもあります。毎日平均4時間の自主学習はハードですが、英語で学ぶという、希有でハイレベルの教育を受けている感覚が自信になり、チャレンジをしようという積極的な気持ちにさせてくれます。この後も厳しい道のりが待っていますが、今はPDPに挑戦して良かったと心から思っています。

教授陣の熱意と未来を信じる気持ちが支え
経済学部 金融学科1年
オフェイ・メヌ プリシラ

父の仕事の関係で中学まで日本で過ごし、米国の高校で学び日本に戻った私は、英語力を維持しつつアカデミックレベルの日本語も身に付けるため、英語と日本語の両方で学べる環境を求めていました。武蔵大学のPDPは、そんな私のニーズにぴったりでした。欧米の高等教育スタイルに基づいているので、高校で学んだ前提で授業が進むということがなく、基礎から積み上げる内容になっているところは、日本の高校で学んでいない私には助かります。海外で学位を取得する苦労を経験した先生方も多く、IPに進むための来春のテストに合格してほしいという熱い思いが伝わってきて、必死に取り組んでいます。

覚悟はしていましたが、PDPには遊ぶ時間はありません。それでも、自分が成長した未来を信じる気持ちがあれば頑張れます。将来は、日本の地方や祖国ガーナの発展に貢献したいと漠然と考えていますが、海外でも評価の高いロンドン大学の学位は未来の選択肢を広げてくれると思います。

経済学部のPDPだけでなく、人文学部、社会学部もグローバル教育に力点を置いたコースを来年度から新設する。これにより、武蔵大学の全学部を挙げてのグローバル化戦略が本格的に動き出す。

人文学部に外国語で学ぶ授業中心のコース設置

人文学部は、地球規模の視点を持ったグローバル市民に必要な異文化理解力と高度な語学力を身に付ける「グローバル・スタディーズコース(GSC)」を設ける。

同コースの「英語プログラム」は、グローバル・スタディーズという教育・研究分野の専門科目を英語で学べるカリキュラムを整備。外国籍教員が英語による講義とゼミを4年間担当する。人文学部のどの学科の学生も所属でき、卒業時までにTOEIC800以上、IELTS6.5以上取得などの高い目標を掲げている。1年次はクオーター(4学期)制を取り入れ、短期留学を含めた集中的な英語指導を行う。3年次には、6カ月または1年間の海外留学のほか、国際インターンシップや国際ボランティアも推奨する。英語の授業と留学による単位認定だけでの卒業も可能だ。

ほかに、ヨーロッパ文化学科の学生向けにドイツ語とフランス語特訓の2プログラム、日本・東アジア文化学科の学生向けに中国語と韓国・朝鮮語特訓の2プログラムを設置する。山㟢学長は「これらのプログラムは、人文学部の魅力を倍増させることになるでしょう。グローバル志向の受験生を想定した入試種別も新規に導入します」と語った。

地球規模の視点を持ち高度な語学力を備えた人材を育成する「グローバル・スタディーズコース」

社会学部にはデータサイエンスと英語を学ぶコース

社会学部は、グローバル社会の共通語として、データと英語の二つの“言葉”を扱うスキルを身に付ける「グローバル・データサイエンスコース(GDS)」を開設する。

社会調査の方法論やデータ活用などデータを科学的に扱う技術を磨き、ビッグデータが注目される中で、喫緊の課題となっている「データサイエンス・スキル」の修得を目指す。英語力は、1年次に外国語現地実習(短期留学)をはじめとする豊富な語学の授業などで集中的に特訓。2年次以降も、協定校への海外留学、テンプル大学日本校への国内留学、国際ボランティアや国際インターンシップなどのグローバル体験を積む。

山㟢学長は「世界には膨大なオープンデータがありますが、ソースへアクセスし発信するには英語力も必要です。社会学的視点からデータサイエンスを学べるコースの特徴を示せるようにしたいと思っています」と、新コースに期待する。

授業以外では、学部を問わず全学生が利用できる国際村Musashi Communication Village(MCV)を2012年に開村。無料の英会話レッスンや、外国人スタッフとのフリートークなどのプログラムを用意している。また、PDPや新コース設置に伴い、英語での論述試験やレポート執筆に対応するため、英語のライティング・サポートも拡充する予定だ。武蔵大学の実践的なグローバル教育はますます加速していくだろう。

「グローバル・データサイエンスコース」では社会学的視野と英語力、データサイエンス・スキルを修得する
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