福岡で芽吹く「爆買い後」を見据えた観光戦略 日本文化体験の「コト消費」をどう増やすか

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「ブランド品にはまったく興味がないわ。日本が好きなので、日本の文化を体験する方が楽しい」そうだ。

“上得意”の中国人が買い控え

折り紙を体験したドイツ人の2人(手前)。「日本の文化を体験するのが楽しい」と話していた(撮影・吉武和彦)

運営は、商業施設向けシステム開発のイースト(東京)が担当する。アジアに地の利がある福岡で、「コト消費」を拡大させられるか「テストマーケティングを行っている」という。

昨年8月、イーストは福岡市・今泉に第1号の観光案内所を開設した。着物を着て神社で写真を撮ったり、かっぽう着を着てすしを握ったりする体験サービスが「人気を集めた」という。

今回は、大勢の訪日客が集まるキャナルで「体験型インバウンドサービスを拡充していく」狙いだ。

背景にあるのが、「爆買い」の陰りだ。消費の主役となる中国人客は、円高や中国の関税率アップの影響で、1人当たりの消費額が減少傾向にある。

観光庁によると、7〜9月の訪日外国人旅行者の消費額は、前年同期比2・9%減の9717億円と、4年9カ月ぶりに減少した。中でも、目立つのが「買い物代」の落ち込み。同17・0%減となった。

中国人は、消費額全体の45%を占める“上得意”。

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