自民党議員の質が劣化、世襲率4割が原因!?

自民党議員の質が劣化、世襲率4割が原因!?

塩田潮

 政界では早くからポスト福田の名前が飛び交っている。
 自公政権を前提に、本命は麻生前幹事長、対抗馬は与謝野前官房長官、ダークホースが小池前防衛相や渡辺行革相という見立てが一般的だ。中川元幹事長も意欲的だが、残念ながら「過去の傷」がいまも重い。

 だが、この顔ぶれを見ると、時代の変遷を実感する。麻生、与謝野両氏は役職歴や政治経験は豊富だが、手勢は極端に少ない。麻生派は衆参16人、与謝野氏も仲間は数人といわれている。小池氏も女性議員の会をつくったりしているが、一派を担うパワーにはほど遠い。自民党から派閥政治が消え、指導者選びが派閥の論理とは別のメカニズムで行われる時代となったのであれば評価すべきだが、実際は派閥力学に代わって党内の活性化を促す別のエネルギー源が見当たらず、漂流を続ける「弱った鯨」のような党に映る。

 よくいわれるように「人材の劣化」も理由の一つだろう。自民党に限らず国会議員全体の質の低下を指摘する意見も多いが、程度の差を見ると、やはり自民党の弱体ぶりが目立つ。原因はいくつか思い当たるが、政治の世襲化を無視するわけにいかない。

 世襲議員は衆参で180人弱いるが、民主党が23人で、残りの150人余は自民党だ。世襲率(全議員に占める世襲議員の比率)は民主党が10%なのに、自民党は4割弱に上る。宮沢氏以後の10人の首相のうち、村山氏、森氏を除く8人が世襲議員だ。安倍前首相と福田現首相は父親の秘書の後、父親の選挙区から当選した「究極の世襲政治家」である。「世襲だから駄目」と極めつける気もないが、こんな人物しかトップに担ぐことができない自民党はどこかおかしいと思っている人は相当多いのではないか。

 次週、政界の世襲の横行と人材の劣化について考えてみたい。
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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