クロスピア2016秋

明確な教育のビジョンに基づいた高大間相互理解の深化が不可欠

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未来を担う人材育成に向けて、高大接続改革が進行中だ。武蔵大学の山㟢哲哉学長に、大学の進むべき方向と、具体的に実施している改革方策について伺った。
山㟢 哲哉(やまさき・てつや)
武蔵大学 学長
1957年山口県生まれ。1981年早稲田大学第一文学部卒業、1990年同大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学。1991年武蔵大学人文学部専任講師、1993年同助教授、2000年同社会学部教授。社会学部長を経て、2014年より現職。『アイデンティティと社会意識』『戦後日本の社会変動と社会意識の変化』など、著書多数。

教育方針とのマッチングで大学を選ぶ姿勢が大切

現在、大学教育、高校教育、大学入試の3つの改革を同時に行う高大接続改革が進行中です。高大接続で軽視されがちな重要なポイントは、大学の個性を高校生にどう理解してもらうかという点にあります。大半の高校生は、偏差値と学問領域、知名度、通学距離、キャンパスの雰囲気などで大学を選択しているのが実情だからです。

医師や看護師といった職業に直結している学部の場合は、学生も職業イメージを持ちながら学ぶことができます。しかし、文系学部の場合は、学ぶ内容も、将来の職業も明確に意識しないまま入学するケースが大半でしょう。18歳の時点で本当に自分の将来を決められるのかという問題はありますが、それでも、大学のカリキュラムや教育内容をしっかり調べた上で、自分がその教育を受けてみたいかどうかで判断するのが賢明な方法です。

入学してから文系・理系を問わずあらゆるコースが選択できるカリキュラムを持つ大学もあれば、世界最先端の学問研究に重きをおく大学もあります。あるいは地域に根ざし、実学に特化した教育に力を入れる大学もあります。

武蔵大学は創立以来、徹底した少人数教育を重視し、「ゼミの武蔵」を標榜してきました。ゼミは4年間必修で、教員や仲間との親密な交流の中で、幅広い教養を培うリベラルアーツに重点を置いた教育を展開しています。こうした学びのスタイルは高校生にとって具体的にイメージしづらいものかも知れません。そこで高校などと連携して共同学習に取り組み、高校生が大学の教育に触れる機会を数多く提供しています。こうした高校と大学の相互理解を深めることが、今後の高大接続で重要になってくると思います。

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