営業ってそんなに格好悪いですか?

奴隷にならないための営業の論理

戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。
営業の仕事を嫌う人の中には、仕事の中身を理解していない人も多い(撮影:今井康一) ※ 写真は本文と直接関係ありません
 

「営業だけはやりたくない」

いかにも嫌そうなニュアンスを伴って、そんな声が耳に飛び込んできました。異動も間近に迫った若手の飲み会の場でのことです。

そのまま何となく耳を傾けていると、理由を問われて「自分は営業には向いていない」と。そこでつぶやかれた、答えになっていない答えで何だか余計にわからなくなり、酒席の会話はそのまま流れ、私は発言の中身というより、その感情の押し出し方だけがもやもやと記憶に残りました。

今思えば、その人は「営業の経験がない」人でした。

その後、このやり取りはすっかり忘れていたのですが、たまたまこの前、自分の就職活動のときの自己分析のメモが古いPCから出てきました。そこにはまったく同じことが書いてありました。引用します。「営業は自分の性格的に向いていない。まずない」

「知らないからやりたくない」

ここへきて私の感じた違和感の正体が、なんとなくわかりました。当時の自分も飲み会のときの彼も、どちらも「営業」を知らないのに、拒否反応を起こしていました。

知らないのに「営業」に拒否反応を起こしている。わからないのに「営業」に向いてないと言い切っている。如何なものかと思います。

でも、よく考えてみると、実は必ずしも矛盾していないような気もします。

つまり「知らないのにやりたくない」わけではない。「知らないからやりたくない」のではないかと。

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