慶應幼稚舎出身の「お嬢様」は飛び抜けている 東京カレンダー「慶應内格差」<3>

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表参道交差点みずほ銀行前19:30。待ち合わせの人々で混雑する時間帯。早希子の元へ、良輔が額に汗を浮かべながらやってきた。

「ごめん!待たせた!先輩に捕まって!」

身長は180cmほど、焼けた肌。普通部、塾高、大学とずっと野球部のエースで、今は総合商社に勤めている。

いつも優しくて何でも合わせてくれる。一緒にいても気が楽で、定期的に2人でご飯に行く関係が、学生時代から続いている。幼稚舎男子以外で一番仲の良い男友達だった。少なくとも早希子は友達としか考えていなかった。告白される時までは。

普通部・良輔が幼稚舎・早希子に挑む!

普通部・塾高は一流企業の会社員や医者、資格業などいわゆるホワイトカラーの子息が多い。普通部、塾高と男だけの環境で6年間を過ごす彼らは、多感な時期に女子と隔離されるため、「女の子たるもの」という固定観念が強く、夢見がちボーイが多い。

硬派、一途さでは定評がある。彼女には優しく、邪険に扱うことはない。学生時代から長く付き合って、そのままゴールインするパターンが多い。

普通部男子の多くは、中高を部活漬けで過ごし、大学でも体育会に所属するため、つるむ友達はほとんど変わらない。旧友との友情を物凄く大切にする一方、いつまでも体育会・男子校ノリが抜けず、ロマンチックさ、細やかさにかける。

早希子との会話も殆どが、良輔が野球部メンバーと遊んだ時の話。2人のデートはいつもそれ以上でも以下でもない。でも、今日は違った。いつもはカジュアルなお店でご飯だけ食べて終わりなのに。

二軒目は『montalk』。間接照明が素敵で、ブルーチーズのケーキが美味しい。こんなお店知ってるんだ。そんなことを思っていたら、いきなり良輔から質問が飛んで来た。

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