「中等部から慶應」の27歳女子に「幼稚舎」の壁 東京カレンダー「慶應内格差」<2>
慶應義塾大学内には、他大学からは決して窺い知れない“格差”がある。それは、大学入学に至るまで、どのような経路を辿ってきたかという格差だ。
比率的には、大学受験を経て入学した「外部生」が圧倒的に多いが、貴族的な小学校といわれる「幼稚舎」、中学は男子校の「普通部」と共学の「中等部」「SFC」がある。そして、「内部生」となる高校は男子校の「慶應義塾高」、埼玉にある「志木高」、女子校の「慶應義塾女子」、共学の「SFC」、そして「NY高」の5つに出自が分かれる。
女子高出身の仲良し三人組、沙羅、栞、早希子の「3S」がそれぞれ感じた“慶應内格差”とは? 「東京カレンダー」の人気連載をお届けする。
おだてられる時間も残りわずか
透き通った肌に小柄な身長。運動とは無縁で特技はピアノ。守りたいという男の願望を形にしたような女、栞。
そんな栞を周りの男が放っておく訳もなく、昔から年上の先輩に誘われては、よく高級店へデートに行っていた。同級生には手の出ない高嶺の花はアナウンサー試験にもあっさり合格。社会人になってからは、連日連夜「お食事会」に繰り出していた。
栞:来週木曜空いてる?外銀の小原さんが『かどわき』に連れてってくれるって♪
沙羅:行く~!トリュフ食べたい!参加!
彼のようなSクラス男子とのお食事会では早希子と沙羅がオマケだって分かってる。でも3人分を払わせるくらいの価値が私にはあるでしょ? ヴァレクストラの財布、バレンティノのバック、プラダの靴……。栞の身に着けるものは、そういった「お友達」からの贈り物がほとんどだ。
そんな栞ももう27歳。花よ蝶よとおだてられる時間も残りわずかと、賢い彼女は分かっている。
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