日産が、新型軽「デイズ」投入で狙う“安定” 三菱自と共同開発の第1弾

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デイズの販売目標は月間8000台、年間約10万台と設定する。5月の連休明けから開始した事前受注では1万2000台を記録、国内販売を統括する片桐隆夫副社長は「非常に手応えを感じている」と語った。三菱自の「eK」シリーズは月間5000台が目標だ。日産の国内販売店数は三菱自の3倍近くあり、生産における主導権は事実上、日産が握る。これまでのOEM調達における制約は低減し、軽自動車の供給は“安定”に向かう。

一方で、この新型軽は発売直前にリコールを発表。「異例の措置でたいへん残念。ただ対象車は広報用の7台のみで、顧客に迷惑が掛からないよう発売前にリコールした。品質では満足してもらえるよう取り組む」(志賀COO)と、あくまで品質重視の姿勢を強調した。

デイズは、ノーマルタイプとスポーティな「デイズ ハイウェイスター」の2種類のスタイルをラインナップ。前面のデザインは、ノーマルは日産の主力コンパクトカー「ノート」をイメージさせ、「ハイウェイスター」は「セレナ」などのミニバンと同様のデザインを採用。日産車らしさを表現している。

燃費や質感は○、安全機能は△

アラウンドビューモニター(前後左右のカメラで撮影した画像を合成し、車両上空から見たような画像を表示させるモニター)を軽自動車としては初めて採用、燃費も軽ハイトワゴンでトップクラスの29.2キロメートル/リットルを実現した。全体の質感も軽自動車であることを考えればなかなかよく仕上がっている。

ただ、昨年末にモデルチェンジした「タント」で人気の自動ブレーキ機能は設定がなく、ホンダの「N ONE」が標準装備する横滑り防止機能は、最上級のターボ車1グレードにしか設定されていない。安全機能面では後発車種としては寂しい。

販売は既存の日産系列店で従来の軽同様に販売する方針で、業販店(中古車店や修理工場などの非系列販売店)や流通チェーン、ネット通販などは活用しない。また、ホンダが手掛けるような軽やコンパクトカーに特化した専門店舗の展開も予定していないという。

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