森永ミルクキャラメル、100年目の正念場 定番商品で、大規模キャンペーンを打つ事情

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ただ、定番品とはいえ、キャラメルに対する消費者の嗜好は変わってきている。近年は若年層などを中心に、「歯にくっつきやすい」というキャラメルの特徴を敬遠する声もあるほどだ。森永製菓は6割のシェアを誇っているにもかかわらず、キャラメル市場自体が縮小。12年度の森永ミルクキャラメルの売上高は11年度から12%減と苦戦した。

「歯に付きにくい」キャラメルも投入するが…

森永は定番の森永ミルクキャラメルだけでなく、新たに「FUDGE(ファッジ)」という新しいキャラメルを投入。口に入れるとほろほろと崩れ、歯に付きにくい特性で、新たな需要の開拓を狙う。森永製菓の平久江卓・取締役菓子事業本部長は「FUDGEは次の100年を担う商品」と力を込める。

ただ、一方で「黄色い箱のキャラメルも若い人にもう一度食べて欲しい」(平久氏)というのも、森永製菓の本音。これまでも「顧客のニーズに合わせ、少しずつ改良してきたことでロングセラーになった」(同社の矢田雅之社長)という森永ミルクキャラメル。このブランド力を生かしつつ、やはり定番品頼みから脱却できないという悩みも見え隠れする。

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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