日本株買いに動く「外国人投資家」の正体 ジワジワ来ている流れは本物になるのか

拡大
縮小

現物+先物市場
【売り手】
個人投資家・・・・137億円
証券自己・・・・・102億円
信託銀行・・・・・100億円

【買い手】
外国人投資家・・・1824億円

となっている。

外国人投資家は10月第1週に現物と先物合算で7679億円買い越しており、数字からわかるように、2週目も1824億円の買い越しとなっている。

実は、2週連続で外国人投資家が買い越すのは7月以来のことだ。このときは7月第2週から4週まで買い越し(第2週に1兆円買い越した後は、数百億円の買い越しに留まったが)ていた。また、この間の日経平均は1462円高、+9.6%(8日終値15106円、29日終値16569円)と、強い動きが見られた。

このほか、今年2週連続で買い越したのは4月(第2週から第4週)、5月(第3週、第4週)と合計3回のみで、5月の上昇率は2.5%(13日終値16412円、27日終値16834円)と小幅だったが、4月は5.3%(8日終値1万5821円、28日終値1万6666円)。

終値だけで比較すると今一つピンと来ないかもしれないが、4月22日には一時1万7572円まで上昇していることから、取引時間ベースで見ると、より高いパフォーマンスとなっている。

オイルマネーが戻ってきた?

つまり今年に限ってだが、「外国人投資家が日本株を連続で買い越している局面=日経平均は100%上昇」という構図となっている。投資部門別売買高動向は、前出の通り翌週の第4営業日の大引けに発表されるため、結果論になってしまうのだが、やはり日本株を引き上げるには外国人投資家の買いが必要ということだ。

ではなぜ、外国人投資家が日本株買いに転じたのか。背景として考えられるのは、原油価格の安定化がある。NY原油価格は、今年の2月11日には1バレル26.05ドルまで下落していたが、足元では50ドル台を回復している。日経平均は2月12日に取引時間ベースで1万4865.77円と今年2番目の安値(年初来安値は6月24日1万4864.01円)をつけている。

2016年年初からの日本株売りの背景には、オイルマネーの流出があったと言われている。市場では、サウジアラビア通貨庁(SAMA)に関連したファンドと見られていた「サジャップ」「ジユニパー」「ニッポンベスト」などが大株主に名を連ねている銘柄は、軒並み叩き売られた。こうした投資資金が、原油価格の安定化を受けて、日本株に戻ってきたのではないかとの見方だ。

次ページオイルマネー買いがなくなったら下がるのか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT