「身分不相応な婚活」からは撤退するべきだ 東京カレンダー「新・婚活事情」<12>

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これまでの経験上、私も彼女たちと一緒にさえいれば、同じようなランクの男性とスムーズに結婚できると思っていました。

でも、甘かった。可愛い友人たちが次々と結婚を成立させていく中で、私だけが、完全に売れ残ってしまった。彼女たちは私を心配して食事会を開いてくれたり、Sランク男子を紹介してくれたりと、色々と世話を焼いてくれました。でも、どうやっても上手く行かない。

そう、婚活市場では、結局は自分のレベルでしか勝負が出来ないという「現実」。そこに、美人からのおこぼれは無かったんです。

身分不相応な婚活を辞めたことで、幸せをつかめた

私は元々、幸か不幸か、「現実」を受け入れやすい性格のようです。「現実」を理解してから、同じグランドスタッフの友人と婚活を始め、今の夫と出会い、結婚しました。

彼の年収は、700万円弱。順調に出世しても、せいぜい1000万円強止まりでしょう。しかも転勤族で、地方の田舎住まい。年収2000万円以上、港区のタワマン在住男性を狙っている美人たちから見れば、完全に苦笑いのレベルです。婚約指輪のダイヤも、豆粒のよう。でも、同じBランク同士の結婚は、スムーズで楽でした。夫は性格も温厚で、肩肘を張らずに済み、居心地も良かった。

そして、私は30歳を目前として、やっと気づいたんです。今まで、どれだけ背伸びをしていたか。美人とハイスペックな男性の陰で、本当は、どれほど卑屈な思いを押し殺していたか。

純粋に「可愛い子が好き」だった私は、いつの間にか、「可愛い子の生活が好き」なだけにすり替わっていました。彼女たちを取り巻く生活に憧れたし、素敵な結婚相手が羨ましかった。私も、そうなりたかった。

でも、無理して身分不相応の婚活を辞めたのは、正解だったと思っています。あのまま痛い女として独身を貫いていた可能性は高いし、運よくハイスペックの男性と結婚できたとしても、しょせん、私自身に彼らと渡り合えるポテンシャルはなく、浮気されたり、不幸な結婚生活を送っていたでしょう。市場価値の釣り合いとは、そういうものです。

福岡での生活は、隣の芝生を眺めることもなく、平穏で豊かです。東京は、生まれ育った愛すべき故郷ですが、外に出たことで、私は幸せになれた。負け惜しみのように聞こえるかも知れませんが、事実です。

できれば、これから産まれてくる子供も、地方で伸び伸びと育てたい。私のように、都心でドロドロと蠢く欲望格差社会に、巻き込まれて欲しくはないから。

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