女子校ならではのリーダーを輩出したい
――「インクルシブリーダー」という、理念はわかります。ですが、なかなか育成は難しいと思います。女子校のようなある種、「純粋培養」とも言えるコミュニティで、どうやって実現するのでしょうか。
わたしは女子校というコミュニティだからこそ、女性の強みを伸ばしていけると思っています。
日本の女性進出は大きく後れを取っているのが現状です。女性の政治参加や経済界における活躍、意思決定に参加できるかどうかを表すGEM指数（Gender Empowerment Measure）では、先進国の中では最低クラスに位置づけられています。女性の経営者にしても女性の研究者にしても、まだまだ少ない。戦後、男女平等をうたってきた結果がこれか、と大きくショックを受けました。
特に韓国では朴槿恵大統領が誕生したことも衝撃でした。朴正煕大統領の娘ということも大きく影響したかと思いますが、女性大統領の誕生は、儒教の国・韓国にとって、男女平等への確かな前進だと思います。でも、日本は変わらない。これはよくないなと、危機感を感じています。
PISAの統計にもありますが、一般的に女子は男子に比べて「自己肯定感が低い」と言われています。どういうことかというと、能力やスキルはあるのに、主張しない。女子生徒にはそういう傾向があります。
もし、共学で男子と一緒だった場合、主張の強い男子生徒がガツガツ出てくる中で、空気を読んで引っ込んでしまうかもしれません。まず女性だけのコミュニティで存分に主張し、一方で、他者の意見を聞き入れ、一定の合意に導く。そういう経験をしてほしいのです。そうして培ったスキルは、育てれば必ず花開きます。
鴎友は中3で英単語100万語を読破する
――カリキュラム面では何か取り組みはありますか？
オリジナル教材が鴎友生の好奇心を刺激する
うちではユニークなカリキュラムを多く用意しています。数学、理科、国語に至るまで、大半が鴎友のオリジナル教材です。
特に力を入れているのが鴎友独特の英語教育です。とにかく英語のシャワーを浴びてほしいのです。中1の最初の授業から、オールイングリッシュで英語のテキストを多読します。基本的に一コマの授業で1冊の英語の本を読み切ります。まずは、簡単な絵本からスタートしますが、徐々に分量も内容も高度化して、中3までに累計100万語に触れることが目標です。ライブラリーには、テキストが置いてあって、巻末に何ワードあるのか、全部書いてあります。生徒たちはそれを片っ端から競うように読みあさって100万語を読破します。
