ホテル戦争の仕掛人? 森トラスト次の一手 森トラストの後継者、伊達美和子氏に聞く

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ウェスティンホテル仙台、コンラッド東京、シャングリ・ラ ホテル東京。そして、今年12月にオープンが予定されている東京マリオットホテル。世界を股にかける国際的ホテルブランドと互角に渡り合い、トップホテルを次々に誘致するのが森トラスト・ホテルズ&リゾーツだ。1社でこれだけ異なるブランドと組める企業は、世界的にも少ない。
国内でも、長野の万平ホテル、大阪の老舗リーガロイヤルホテルグループを傘下に収め、いわば「巨大なホテルの大家」として君臨する。不動産会社がホテルを誘致するのは珍しくないが、森トラストは自社で運営面まで目配りできるのが異色だ。
森トラスト・ホテルズ&リゾーツ社長で、森トラスト専務でもある伊達美和子氏は、森章・森トラスト社長の長女で、後継者として指名されている。伊達社長に、グループのホテル戦略について聞いた。

――森トラストというと、大手不動産会社の一角というイメージですが、ホテルも手掛けていらっしゃるんですよね。

1970年代に「ラフォーレ倶楽部」という会員制の独特なホテル事業を始めて、13施設ほど展開していったのが始まり、第1ステージですね。

1990年代後半からの第2ステージでは、日本の老舗ホテルと連携していくようになりました。軽井沢の万平ホテルを子会社化し、リーガロイヤルホテルとは資本業務提携を行いました。第1ステージはわれわれ自身のノウハウですべてホテルを運営し、第2ステージでは世間一般のホテルのノウハウと出会ってきたわけです。

第3ステージからは、さらに世界に目を向けて、これからはもっとグローバルなホテルが東京に進出してくるべきだと考えて、不動産の開発と一緒に、進出をサポートする受け皿を作ろうとしました。

外資系高級ホテルはなぜ増えた?

――それがウェスティン仙台であり、コンラッド東京なわけですね。

われわれは、建物を建てることから、実際にホテルを運営するまで一気通貫して自分たちでできるわけですね。自分たち独自のチャネル、日本のホテルチェーンが持っているチャネル、そして外資系のチャネル。すべてを理解したうえで、すべてを融合したものを今度こそ作ってみよう、というのが現在の第4ステージです。

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