子どもの“想定外”の将来を回避せよ! マクロな視点から子どもと将来を語ろう

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以上、外部環境の変化を基に、その機会と脅威を考え、子どもの教育を考えるうえで何が強みになり何が弱みとなるのかを考えてきたが、いかがだっただろうか。

もちろん、これらの検討はあくまでも仮説である。私はタイムマシンを持っているわけではないので、これらの検討が当たるとも当たらないとも言えない。ただ、将来の予測ができなくとも、自分なりの判断軸を持ち仮説を持つことは、ビジネスでも必要だし、子どもの教育にも必要な力だといえる。

「想定外」は親としてもビジネスマンとしても失格!

将来の予測ができないからといって、何かの変化に対処できないときに「想定外」だというのは、ビジネスパーソンとしても子どもの親としても許されない。だから、知恵を絞る。一生懸命考える。そして、外部環境が変化するたびに自分の仮説を修正し、アクションプランを立てる。このプロセスはビジネスも子どもの教育を考えることにも変わりはない。

もっとも、この点は繰り返し、重ね重ね申し上げたいのだが、子どもの人生はあくまでも子どものものだ。だから、私たちにできることは、ただ情報提供にすぎない。そして、一緒に考え、悩むことにすぎない。でも、ビジネスの最前線で活躍するパパやママは、自分のビジネススキルを生かし、それをできるはずである。だから、そのビジネススキルをいかんなく子どもの教育に生かしていただきたいというのが、私の考えだ。

今回はSWOT分析というビジネス分析手法を活用しながら、子どもの教育を考えてきたが、次回は、学校のテストや塾の模擬試験をどのように評価したらよいのかということを、3C分析というビジネス分析手法を活用しながら検討していく。

牧田 幸裕 名古屋商科大学ビジネススクール 教授

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まきた ゆきひろ / Yukihiro Makita

1970年京都市生まれ。京都大学経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科修了。ハーバード大学経営大学院エグゼクティブ・プログラム(GCPCL)修了。アクセンチュア戦略グループなどを経て、2003年日本IBM(旧IBMビジネスコンサルティングサービス)へ移籍。インダストリアル事業本部クライアント・パートナー。IBMでは4期連続最優秀インストラクター。2006年信州大学大学院経済・社会政策科学研究科助教授。2007年准教授。2018年より現職。名古屋商科大学では5年連続ティーチング・アウォード受賞。著書に『デジタルマーケティングの教科書――5つの進化とフレームワーク』(東洋経済新報社)などがある。

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