事後レポ

問われる、財務・経理部門の進化と真価

電子帳簿保存法の要件が緩和されたことにより、経費精算の業務はどのように変わるのか。そこで必要となる経理部門の役割とは。9月に東京・大阪・名古屋の3会場で開催されたフォーラム「電子帳簿保存法は企業経営に何をもたらすのか?」では、電子帳簿保存法の概要から経理部門のあり方などを展望。専門家の言葉に来場者たちは熱心に耳を傾けた。
【主催】 東洋経済新報社 【協賛】 ラクス

【基調講演】
国税関係書類の電子帳簿保存
電子帳簿保存法の全体像と改正内容のポイント

TOMAシステムコンサルタンツ
取締役専務 TOMAコンサルタンツグループ部長
持木 健太氏

TOMAシステムコンサルタンツの持木健太氏は、電子帳簿保存法の概要や同法が施行された背景、承認申請の手続きについて解説した。

電子帳簿保存法の正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存等の特例に関する法律」。ITが浸透し、会計処理の分野もITを活用した帳簿書類の作成が普及しており、納税者が帳簿書類を保存する負担を軽減するために1998年7月に施行された。2005年からはスキャナ保存制度が導入され利便性の向上が期待されたが、保存の対象とされる契約書や領収書に金額の制限があるなど導入要件が厳しかったため、多くの企業では普及が進まなかったという。そこで15年より要件を緩和し金額の制限を撤廃、16年からはスマートフォンやデジタルカメラなどの機器による読み取りも認められるようになった。

電子帳簿保存法の手続きは「電子化する証憑の決定」「文書管理規程や電子化手順書等のドキュメント用意」「e‐文書対応機器の準備」「所轄の税務署に申請書を提出」「スキャナ保存の開始」という五つのステップで構成される。スキャナ保存導入にあたっては受領と入力、チェックをそれぞれ別の者が行う「適正事務処理要件」や、一定水準以上の解像度による読み取りなどを機器に求める「電子計算機処理システムの要件」などの要件が設けられており、適切な体制を構築することが必要となる。こうした体制の準備には専門的な知識が必要となり、電子帳簿保存法に精通した専門家の支援を受けることでスムーズな導入が可能になる。

これまで紙の証憑管理に要していた時間や労力はほかの業務にあてることが可能になり、企業の生産性も向上する。電子保存導入のメリットを活用することで「企業経営をこれまで以上に強固なものにしてほしい」と持木氏は強調した。

【テーマ講演】
電子帳簿保存法改定で
経費精算業務はどう変わる?

ラクス執行役員
クラウド事業本部
ファイナンス・クラウド事業部長
本松 慎一郎氏

ラクスの本松慎一郎氏は同社の提供するシステムを導入することによって経費精算業務フローがどのように変化するか、また導入によってどのようなメリットが生まれるか実演を交えながら解説した。

ラクスではウェブ帳票発行システムの「楽楽明細」やウェブデータベース「働くDB」など企業の業務効率化を実現するさまざまなクラウド型サービスを展開している。そのうち電子帳簿保存法に関連するのが、交通費・経費精算システム「楽楽精算」だ。

「楽楽精算」による電子帳簿保存法の活用により、企業の経理担当者は、さまざまなメリットを実感できるという。

まず、領収書を電子データとして管理するメリットとして三つ挙げられる。一つ目は承認・確認処理の迅速化。原本ではなく領収書の画像で確認できるため、距離が離れていても承認・確認ができ、早く処理できるようになる。二つ目は早期払い戻しの実現。業務が迅速化することで、払い戻しのタイミングも早めることができる。三つ目は検索性向上による監査対応の効率化。電子データ化されることで領収書データを素早く探せるようになり、監査対応前に焦って原本を整理する必要がない。

また、領収書をペーパーレス化することで実感するメリットもある。領収書を支店から本店に郵送する必要がなくなるため、領収書原本の取り扱い工数が削減されたり、ファイリングの手間や保管スペースが不要になるため、原本の保管関連コストが不要になるといった点などだ。

すでに、約1400社が「楽楽精算」を導入。「さらに電子帳簿保存法対応版もリリースを予定している。これによって『楽楽精算』の利便性、満足度が向上していきます」と本松氏は締めくくった。

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