B787の運航再開急ぐ、ANAの事情 臨時便で、JALに先行

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尖閣問題の影響はやわらぐが…

経営再建後のJALが石橋をたたいて渡る、超保守的な計画作りの傾向があることも確か。また昨年は尖閣諸島問題により中国路線の旅客が大幅に減少。この路線に特に力を入れるANAは、年間で約100億円の減収要因となったが、今年度はこの影響がやわらぐことも見込まれる。だが、それにしても、ANAの今年度計画は挑戦的に見える。すでにB787の運航停止で、大幅な旅客数減という影響が出ているだけに、一刻も早く運航を再開したいと思うのが自然だろう。

ANAの篠辺社長は4月の実績について、「B787の運航停止や納入遅延で、生産サイドがかなり厳しかった。ただ、今の段階では、おおむね想定の範囲内」と、通期の計画に対し順調に進捗しているとの説明を行った。B787の定期運航を再開する6月以降、輸送実績は上向くのか。今期のANAの業績動向は、しばらく注意して見る必要がありそうだ。

(撮影:尾形 文繁)

桑原 幸作 東洋経済 記者
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