企業と学生の攻防、「内定者フォロー」の実態 複数内定者対策に必死、学生との温度差も

✎ 1〜 ✎ 188 ✎ 189 ✎ 190 ✎ 最新
拡大
縮小
複数内定を持つ学生も多く、「内定者フォロー」で最終的な就職先を決める学生も多い(写真:タカス / PIXTA)

企業が内々定、内定を出した後から入社までの間、「内定者フォロー」が断続的に行われる。企業にとっては、ようやく内定を出した学生に「内定辞退」されることが、最も望ましくない。そのため内定を出した後もフォローをしっかり行って、10月の内定式に参加してもらい、来年確実に入社してもらいたいと考えている。つまり内定者フォローは、内定者に入社してもらうための重要な施策なのだ。

一方、就活生の状況はどうか。HR総研の調査によると、2016年6月中旬までに2017年卒採用の就活生(文系)の8割が内定を得ていて、さらにそのうち6割が2社以上から内定を得ている。入社までのどこかのタイミングで本命の1社を決めて、ほかの企業には内定辞退することになる。複数の内定を得た学生にとっては、内定者フォローが企業選択のキーポイントとなるわけだ。

企業の8割が実施する「内定者懇談会」

就職四季報プラスワンの記事一覧はこちら

では、企業がどんな内定者フォローを行い、就活生はどんな内定者フォローを望んでいるのか。HR総研では、企業向けには「どのような内定者フォロー施策を実施・予定」しているか、就活生向けには「望ましい内定者フォロー内容は何か」を、それぞれ聞いている。

その結果、企業の8割が実施しているのが、「内定者懇親会」だ。就活生も5割以上が開催を望んでいる。しかも、HR総研の調査データ「2017年新卒採用徹底解剖」の結果を見ると、2017卒採用の就活生は2016年6月下旬の調査時点で、すでに6割が内定者懇親会に参加している状況だ。

次ページ内定者懇親会の目的とは?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT