マツダと松井証券の最新決算を分析する アベノミクスで潤う自動車と証券業界

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証券会社も絶好調、最後の四半期で稼いだ松井証券

次に、オンライン証券の先駆けである松井証券の業績を見ていきましょう。アベノミクスへの期待と円安の影響で、日経平均株価が上昇し続けています。5月22日日には、5年5カ月ぶりに終値で1万5600円台を回復しました。アベノミクスのおかげで、金融市場が活発になっていることは周知のとおりです。

当然ですが、証券会社はこの好影響をそうとう受けています。松井証券の収益を見てみましょう(→松井証券の決算短の9ページ以降を参照)。

損益計算書(同11ページ)を見ますと、「営業収益」が前々期177億円から前期は207億円まで17.5%も伸びています。

そこから金融費用(資金を調達する際に必要なコスト。支払い利息など)を差し引いた「純営業収益」も、167億円から199億円まで19.1%増えていますね。こちらも大幅な伸びとなっています。

さらに、そこから「販売費・一般管理費(営業にかかった費用や広告費、人件費などの経費)」を差し引いた「営業利益」は、73億円から101億円まで増えています。増加率を計算しますと、38.5%。なんと、前々期より4割近くも伸びているのです。

ここで、株式市場の動きを見てみましょう。東証1部の「1日平均売買代金」右表)は、昨年末までは1兆円前後で推移していたのが、今年に入ってから2兆円を大きく超える水準まで急増しています。

こういった背景から、松井証券の業績は2013年1~3月期にぐっと伸びたのだと考えられます。

そういう意味では、同社はアベノミクスの恩恵をかなり享受したと言えますね(ちなみに、4月の売買代金は3兆3919億円)。

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