地方なら農業とソーラー大家を両立できる 太陽光発電は本当に儲かるのか(中)

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農林水産省の解禁通達により、今や多くの農家がソーラー発電を取り入れる動きが出てきた。

日本の農業はTPPの影響で総額約3兆円の影響を受けるとの試算があるなど、悲観的な情報が多すぎる。補助金漬けになっている日本の農業や林業や水産業には、工夫もなければ知恵を絞る意気込みも充分ではない。

だが20代30代のやる気のある若者は、日本の農業を見直している。就職氷河期を経験した30代にとって、非正規雇用や派遣社員に甘んじるより故郷に戻りソーラー大家をしながら新しい農業を追求する方が面白いと考える、新しい流れが出てきた。晴耕雨読ならぬソーラー雨読の生活に価値観を感じる若者達が日本の農業を大改革するのではないだろうか?農業と発電事業がドッキングすれば、ダブル収入が実現するのだ。

グリーン投資減税に加え、社会貢献にもなる

もう一つ大事なことがある。グリーン投資減税の特別償却だ。今年中にソーラーを設置して電力会社の確認が取れれば、全投資額について、今期中の経費扱いで全額一括償却が認められるのだ。

利益が出過ぎて困っている投資家にとって、こんなにうまい話はない。本来は10年間の償却になるところを一括償却できるのだから、今期中に節税が出来るのだ。仮に3000万円のソーラー大家になった場合、通常は資産に計上されるが、今季に限っては(去年も同様だったが)経費算入を認められるという政府の大盤振る舞いなのである。

仮にあなたの年俸が3000万円あったとしても、ソーラー設備の3000万円が全額経費扱いとなり、青色申告では今期の報酬はゼロとなり所得税が免除されるのだ。つまり、今後20年間は不労所得が毎年520万円入ってくることに加え、今年の所得税は特例で免除扱いとなるのだから盆と正月が一緒に来たような話である。

最後にもっと誇るべきことがある。ソーラー発電は社会的にも環境問題を緩和するから大いなる社会貢献にもなる。つまり、石油などの化石燃料と違ってソーラーは無尽蔵で二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンエネルギーだから、ソーラー発電は地球にも優しいシステムだ。ちなみに結晶系シリコン太陽電池による二酸化炭素(CO2)削減効果は、1kWシステムあたり年間314.5kg。石油削減量は、年間227リットルになるから堂々と社会貢献をしていると胸を張っても良いのだ。

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