サムスン「ギャラクシーS4」、日本攻略の成算 李英熙・副社長に聞く

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――さまざまな施策を打ち切ってもシェアが低ければ深刻でしょうが、そうではなく、これからシェアを伸ばす、ということですね。

サムスンに入社して以降の個人的な経験も踏まえてコメントすると、この会社の持っているポテンシャルはものすごく高い。働いている社員の情熱もあるし、ものすごく熱心に仕事をする。組織的に動く集団的な知能もある。日本市場でもそのことは分かってもらえると思います。

3年前にギャラクシーSを発売するまでは、「サムスンはもう終わり」とささやかれていました。しかし3年で様変わりしました。この間の躍進については、もちろんラッキーだったという面もありますが、多くのサムスン社員が情熱を持って集団としての力を発揮し、それを統率するリーダーシップがあったのも事実です。これから日本でも同じ努力をしていきます。いい結果が近いうちに出るでしょう。

――目指すゴールは日本でもシェア1位になることですか。

もちろんそうです。楽しみにゆっくり見ていてください。いつごろ1位になると思いますか。

ドコモの要望に応え、改善の努力を続ける

――ステップ・バイ・ステップだと思います。一時的に1位になったとしても持続するのは簡単ではありません。

それは大事な点だと思います。パートナーシップはお互いに必要としないと成り立ちません。ドコモさんの要望に応えて、サムスンを必要なパートナーだと感じていただけるように改善の努力をし続けます。

――シェアを引き上げるためにはau、ソフトバンクとの提携強化も必要になるのでは。

サムスンはオープンマインドです。排他的ではありません。サムスン製品を使いたいと考えている消費者に対して平等に製品を提供していくことは、メーカーとしての義務だとも考えています。確かに現在はドコモとの近しい関係があり、満足していただけるよう最大限の努力をしていきます。しかし、ドコモを使っている消費者のみに排他的に提供するような考えは持っていません。

エコシステムは今、オープンになっています。端末そのものをみても、サムスンはグーグルのアンドロイドOSだけでなく第2優先順位として、マイクロソフトのウィンドウズフォンOSを搭載した端末も出しています。排他的な関係を結ぶのではなく、オープンなエコシステムの中で消費者の満足度を引き上げていくことが、最終目的です。

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