丸亀製麺「牛すきうどん」が過去最高のワケ 裏メニューの「天丼」も人気化

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国内約800店舗、海外12カ国に158店舗を展開する丸亀製麺

兵庫発の讃岐うどん店チェーン、丸亀製麺の勢いが止まらない。運営会社であるトリドールホールディングスの2016年3月期決算を見ると、既存店売り上げが20カ月連続上昇(3月時点)、利益は前年比2.6倍と、大きな伸びを見せている。

強さの秘密は、ルーツである製麺所の雰囲気そのままに、目の前で1品1品手作りし、カウンター越しに出来立てを提供するという、同チェーンのこだわりだ。テイクフリーの薬味も大きな魅力となっている。130円のご飯だけ購入し、テイクフリーの天かす、ねぎをのせ、だしをかけた「天かす丼」が裏メニューとして人気というのも、有名な話だ。

消費者から心配されるほどのサービス

薬味は無料で自由にのせられる

スマートフォンのアプリによる販促も一役買っている。お得に商品を購入できるクーポンが、初回ダウンロード時はもちろん、フェアごとに自動配信されるし、レシートのQRコードを読み込むことでもらえる。このようにチャンスが何度もあるのだ。ネット上で話題となり「そこまでやっていいのか」「儲けがなくなる」などと、消費者から心配されているほどだ。

加えて、昨今の人気急上昇の理由は、高付加価値の期間限定メニューにある。期間限定メニューは定番の釜揚げうどんに比べ、価格が倍ほどの高額商品のため、売り上げの数字をぐんと押し上げる稼ぎ頭であることは間違いない。たとえば9月14日から10月下旬までの期間で販売されている「牛すき釜玉うどん」(640円、税込み)は、1店舗当たり1日に150~200食販売されるという。

「売れ行きとしては過去最高です。また、普通は発売後販売数が徐々に下がりますが、この商品については、だんだん上がっているのが特徴的です」(トリドール 第1営業本部 恩田和樹本部長)

とはいっても、期間限定メニューは、客を飽きさせないだけでなく話題作りにもなる効果的な商品戦略の一環であり、飲食チェーンであればどこでも力を入れている。なぜ、丸亀製麺の期間限定メニューが特別に人を引き付けるのだろうか。

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