(このひとに5つの質問)ジェフリー・シュワルツ プロロジス会長兼CEO

(このひとに5つの質問)ジェフリー・シュワルツ プロロジス会長兼CEO

米不動産開発企業のプロロジス。昨年から三洋電機や資生堂、松下電器産業の物流施設を次々に取得、日本での投資額は5000億円を超えた。そのトップに今後の戦略を聞いた。(『週刊東洋経済』11月3日号より)

松下の物流施設買収でトレンドをつくった

1 松下電器産業から国内の物流施設17カ所を総額850億円で買収しました。国内の物流施設買収では最大規模です。

 松下は日本を代表する製造業だ。その松下が自社の物流施設を手放す決断をしたことで、ある意味トレンドを作り出してくれたと思う。これによってほかの企業でも物流施設を売却する動きが活発化するだろう。松下とはリース契約を結ぶ。倉庫など物流施設は企業にとって本業ではない。物流施設を当社に売却することで、企業は中核事業に資本を振り向けることができるのでメリットは大きい。

2 日本では2001年から物流会社に賃貸する大型施設を展開し、現在の資産規模は約5600億円に達し国内最大級です。今後の投資計画は。

 2010年に規模を現在に比べて倍増の1・2兆円にするべく力を入れていく。日本では土地神話が根強い。企業が土地やビル、物流施設など不動産を自社保有しているケースはまだ多く見られる。日本と似通っていたドイツも4~5年前まではそうだった。が、その後、物流施設の売却が進み、賃貸にシフトし、経営効率化が進んだ。日本にもその流れは来る。松下のような案件は今後も増える。

3 来年夏には、日本に本社を一時的に移転するとか。

 夏の期間だけ東京の日本法人に世界本社の機能を移す。滞在期間は8週間ぐらいを予定している。私のほかにCFO(最高財務責任者)や秘書なども一緒に連れてくる。わが社は米国企業とは思わない。各地域に根差した企業であることを示したい。私が各地域で情報発信することでその効果も出せる。日本を皮切りに来年以降、ほかの国でも同様の試みを考えている。

4 日本をその最初に位置づけたのはなぜですか。

 不動産の開発余地が世界でも大きいのが、日本を含むアジアだからだ。世界全体でのわが社の資産規模は3・6兆円だが、10年までに倍増する。そのうちアジア地域のシェアは現在の15%から20~25%に高める計画だ。ほかにはインド、中東、ロシア、ブラジルも発展の余地は大きい。インドは事務所を構えて市場調査にも着手した。5野村不動産など日本企業や外資系ライバルも、日本の物流施設ビジネスに目をつけ始めました。

 わが社の強みは20カ国・地域にグローバル展開しているということだ。この分野でそういう企業はまだない。日本の企業の多くは世界的企業であり、日本での契約が世界にも広がる可能性を持っている。物流施設は世界中でネットワークを持つことに価値がある。お客様のニーズをつかみ、今後も施設の更新やM&Aなど何でもしていく。

(書き手:冨岡 耕 撮影:高橋孫一郎)

Jefferey Schwartz
1959年米ペンシルベニア州生まれ。85年ハーバード大学大学院修了。創業した産業施設開発会社が94年に買収されたことでプロロジスに転じ、2005年にCEO就任。今年5月会長兼務。

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