なめるな危険!「電気自動車レース」の超魅力 日本のメーカーが参加しないのは大問題だ

拡大
縮小
「ヒュルルルル」の音量にご注意ください(筆者撮影)

ヒュルルルル、ヒュッ、ヒュイーン、ヒュイーン――。山と海の間にそびえる高層ビルの隙間を縫うように派手な車体が駆け抜ける。電気自動車(EV)の世界最速を決める「フォーミュラE(FE)」は今年で三年目を迎えた。今年の開幕戦はここ香港で開かれる。近未来バトルをこの目で見るため、はるばるやってきたシニア記者である。

10月8日土曜日の午後に香港入りしたシニア記者は、ホテルに荷物を置くと桟橋の上に立つマリタイム・ミュージアムを目指した。

港に面した公道を通行止めにして作った二日間だけのサーキット。会場にはレーシングチームやスポンサー企業のための白いテントが立ち並び、飲み物やスナックを売る屋台もある。お祭り気分である。

フリーランスは入れない?!

ウキウキしながらメディアセンターに向かう。普段は観光客向けの海洋博物館がメディアの受付になっている。関係者のご助力で登録は済ませてあったので、パスポートで本人確認をして取材パスを受け取るだけのはずだった。

「ノー・カンパニー、フリーランス!!」 

しかし受付でパスポートを提示すると、事務局のポロシャツを着た2人の女の子は、パソコンの画面を睨んで固まってしまった。ここまで来て会場に入れなかったらシャレにならない。

「カンパニー・ネーム?」

小首を傾げて彼女が聞く。

「ノー・カンパニー、フリーランス!」

我ながら小学生並みの英語である。

「フリーランス?」

「イエス」

しばしの沈黙。どうやらパソコンのリストはメディア名で登録されているらしい。これだったら、有名な東洋経済オンラインさんの名前を借りればよかった。

次ページ結局入ることはできたのか?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT