「東大式」とは異なる、米国流の中間テスト ウィリアムズカレッジの中間テスト

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数学なのに答えが間違っても110点

普段の授業はのほほんと進みますが、中間試験は鬼畜でした。教授によって試験の形式は違いますが、この試験は記述式大問10問90分、115点満点です。数式だけ書けばいいかな、なんて思っていたのですが、かなり説明問題が多く、結局、英語ばかり書くことになりました。

個人的な感想としては、今まで受けた試験の中でも最悪の出来で、家族に「おわた。きゃー (^o^)/」なんてメールまで送っていたのですが、フタを開けてみれば120点満点中110点でした。これが日本の学校の採点方式だったら、50点がついたはずです。答えが間違っている問題も、考え方が合っていたら9割は点数をくれるという採点でした。

しかしながら平均点は70点でした。どうやら、アメリカの学生は、記述式の試験に慣れていないようです。実際、「今まで記述式の問題なんて解いたこともない」と言っていた人もいました。授業では、教授と生徒の双方向の関係が築けているのはいいのですが、教授の単発的な質問にいかに素早く答えるかに必死になってしまい、知識の統合ができていないように感じました。

つまり、解説を見ればどのステップも理解できているが、自分でゼロから問題を解くことができないという状態です。その点、日本の中学、高校の数学の授業で要求される記述式の試験はよいものだと思いますし、だからこそ日本人は数学ができると言われるのかもしれません。

ただ、私が取っている数学の授業は、数学が苦手な人が集まっている授業なので、もっとレベルの高い授業を取っている人はまったく違うでしょう。もちろん、アメリカ人は、とか、日本人はとか、一般化して話すことはできませんので、一日本人が一部のアメリカ人グループに感じたこととして受け取っていただければ幸いです。

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