ロシアは択捉以外の島を手放すかもしれない 米国の専門家が日ロ交渉の行方を分析
[10月7日(ロイター) ]-ロシアと日本は何十年もの間、千島列島の4つの島である北方四島の領有権をめぐって争ってきた。そのために経済関係を強化することも、第二次世界大戦以来の緊張関係を終わらせることもできていない。
日本がロシアによる北方四島の支配を不法占拠だと見なす一方で、ロシアは解決済みの問題だと考えている。日本は侵略戦争を始めて負けたのだから、領土の喪失を当然の結果として受け入れなければならないと考えているのだ。
ロシアは今、苦しい立場にある
しかし現在、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と日本の安倍晋三首相は、ついに北方領土問題を解決に向かわせる予想外のパートナーになったようだ。国家主義的なタカ派の二人が、これまでの穏健派には決してできなかった合意を実現できる立場にあるのかもしれない。
ロシアは今、米国主導の厳しい国際制裁の下で苦しんでいる。2014年にロシアがクリミアを併合し、ウクライナ東部の武装分離派を支援し続けていることに対する制裁だ。コモディティー価格、とりわけ石油価格の低迷が長引いている中で、ロシアは今すぐにでも日本からの投資を必要としている。
中国が南シナ海への軍事進出を拡大させていることを踏まえると、日本としては米国が70年余りにわたって提供してきた安全保障を今までのように確実視できないのかもしれない。日本は、遠く離れた場所での軍事的関与に対する懐疑論が米国内で広まりつつあることを注視している。この懐疑論の最も有名な提唱者が共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏だ。