日本株は「大きな転換点」にさしかかっている 相場の神様が語った「針の落ちる音」とは

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投資家は配当落ち分を埋めて初めて、配当をもらった感覚に浸れる。マーケットセンチメントには、大きな要素だ。為替も1ドル100円台が続きなかなか円高から脱出できなかったのに、「意外」な原油高も理由にしながらスルスルと、一時104円を付けた。

原油価格が為替を左右させるのは事実だが、原油価格の上昇は、シェールオイルの増産を呼ぶことから、それは原油価格の上値が限定的なことを意味する。簡単に円安を呼び込めない構図のはずが、それを考えると「意外」な感じを受ける。

「意外の連続」に、針の落ちる音が聞こえる?

一方で、欧州はどうか。ドイツ銀行の直近の経営不安説は、住宅ローン担保証券の不正販売に関わる、巨額の制裁金支払い問題が発端だが、同行が近年ドイツの中国接近の急先鋒として、中国への多額の貸し込みをしていたことから、そのことも不安視されている。  しかしそれでも「意外に」DAX指数は強い。さらに言えば、EU離脱でポンドは30年ぶりの安値だが、英国の株価は「意外」にも上げている。

この「意外」の裏から、針の落ちる音が聞こえてこないか。この「意外感」が相次ぐ中で、結果的に日経平均は前出のように、配当権利を埋めた後、相場のテクニカル面での「一つの節目」である25日、200日移動平均線をも抜いてきた。

「潮目の変化」が感じられる動きだが、多くの投資家は動いてこない。なぜか。それは同じ株価現象(200日移動平均越え)が9月初旬に起こったが、そこは結果として、絶好の売り場になったからだ。

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