日本株、閑散相場にある「意外なチャンス」 気になる「米株暴落のサイン」は点灯寸前継続

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さて、今回の結果を受けて、日本株はどういった反応を見せるだろうか?

円高に振れても売り圧力は強まらず

為替市場では、ドル円が102円90銭台とほぼ1円の円高ドル安、円建ての日経平均のCME先物は7日の大阪日中取引比105円安の1万6875円。週明けの10月10日が休場のため、10日の欧米市場の反応を見る必要はあるが、さほど売り圧力は強まらず1万6800円台半ばでの静かな立ち上がりを想定する。

では、売買は増加するだろうか?

全くといっていいほど変化はないだろう。9月末辺りから、米国の各地区の連銀総裁による相次ぐタカ派発言で、為替市場では円安ドル高の流れが強まっていた。

これは私を含め市場関係者の想定外の強い流れだった。日足の「一目均衡表」の「雲」の上限を、ローソク足の実体部分(上下の影(ひげ)を除いた部分)で上放れたのは、今年初である(雇用統計発表後のドル売りによって今は下回っている)。

ただ、昨年12月から続いた円高ドル安トレンドが転換を迎えるかもしれないという状況にも関わらず、東証1部の売買代金は9月30日に2兆円台に乗せた以降、2兆円台に届いていない。しかも9月30日は引けで日経平均構成銘柄の入替に伴うリバランスが入ったほか、同27日は配当・優待に伴う権利取りの売買が入りようやく2兆円台というありさまだ。

日本株は「日銀による支配力」が強まっている一方、政府からは目に見える成長戦略の方向性は示されていない。自民党の小泉進次郎・農林部会長が進める「農協改革」は、早期に答えが出る問題ではなく、今しばらくは時間がかかるだろう。

また「働き方改革」に関しては、早くも「配偶者控除の廃止」見送りが報じられている。年収要件の引き上げなどにおける様々な問題を解決する術が見つからず2018年以降に先延ばしとする方針のようだ。「女性の活躍」を掲げていたが、結局は出足からつまづく格好となりつつある。これでは外国人投資家は動かない。また、原油価格の上昇でオイルマネーが息を吹き返す可能性はあるが、「1バレル50ドル台回復」の程度では、まだ心もとない。

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