日本人が知らない「ベンチャー投資」の奥義 米国の一流VCの投資スタイルは何が違うのか

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起業家からの人気No.1 と言われるVC、Andreesen HorowitzのSrinivasan氏

Andreessen Horowitzは、起業家からの人気No.1と言われるVCで、Fフェイスブック、スカイプ、ジンガ、エアビーアンドビー、などに投資しています。Balaji Srinivasan氏はそのボードパートナー。VCと投資先CEOの強い信頼関係が鍵になると言います。

彼はVCをCEOのアイアンマンスーツ(映画の主人公をスーパーヒーローに変えるハイテクよろい)と表現。同社自体が、マーケティング、広報、人材獲得、法務、アカウンティング各部門など組織化された大きな支援部隊を持っており、投資先企業に会社ごと結合することで、CEOにマーケットで戦う万全のツールを提供するとのこと。

また、通常のVCよりもよりCEOの側に立つのが同社のスタイルであると強調します。マーク・アンドリーセン、ベンホロウィッツという著名起業家が創業者したVCらしく、同社の投資担当になるためには、起業家の経験があることを必須となっています。このような明確な方針が、KPCBやセコイアなどの名門と一線を画する新興勢力として同社が高く評価されるゆえんとなっています。

一流キャピタリストのキャリアは?

今回来日した米国の一流キャピタリストのキャリアパスは、まさに、十人十色。だだし、共通して言えることは、技術の専門性や起業経験、事業経験が豊富な人が多いこと。実務経験のベースの上に金融面での知識を得てキャピタリストになっています。若い人もベテランもいますが、それぞれが洗練されていて、人当たりがよく、フレンドリーに話ができる雰囲気を持っていました。

Canvas Venturesの共同創業者で、エバーノートや、フィンテック企業として注目されるレンディングクラブを創業初期から支援をしたRebecca Lynn氏。彼女は、大学卒業後、エンジニアとなり研究機関で働いた後、P&Gで海外展開のマネジャーをして実績を上げます。その後大学に戻り、法律と経営を学んで、大手VCに参画し投資経験と積んでCanvas Venturesを立ち上げています。現在は育児をしながらイノベーティブなベンチャーへの投資で活躍中。

Mayfield FundのTim Chang氏は、ゼネラルモータースでのエンジニアとして日中韓のチームを率いたり、ゲートウェイ日本法人でコンピュータの日本展開を図ったりと事業会社の経験を経て、VC業界に転身。10年以上の投資経験を経て、現在はコンシューマー部門の投資責任者になっています。

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